「日本はGKの後進国。みんなでワールドカップを獲りましょうと言われても…」。FC東京の守護神・林彰洋が抱く危機感

2020年06月05日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「GKは除外されていますから。あれはダメ」

「GKの立ち位置」について石川と熱く語ったGK林。写真:山崎賢人

 FC東京のLIVE配信企画「青赤LIVE」で、GKの林彰洋とクラブコミュニケーターの石川直宏がオンライン対談を行なった。GK、育成など多岐に渡るテーマについてふたりで熱く語り、予定時間の30分を軽くオーバー。最終的に1時間以上、実に深いトークを繰り広げた。

 なかでも興味深かったのは、林が「GKの立ち位置」について語った件だ。石川にその話題を振られると、林は次のように話した。

「日本のサッカー界においてGKの立ち位置ってどうなのかと考えた時、どれだけ柔らかく言っても、(日本は)GKの後進国と言われてもおかしくない状況。世界に比べたら。いくらみんなでワールドカップを獲りましょうと言われても、そこを変えないことには(始まらない)。GKってかなり重要なポジションなのに、こういう状況になっているのは絶対に良くない。Jリーグが発展するためにはGKが高いポジションにいないといけなくて、そうなるためには海外で活躍するGKが出てこないといけないと思うんですよ。これはチーム間の話ではなくて、リーグとして。

 僕は22、23歳の時に挑戦した(09~10年はプリマス・アーガイル、10~12年はシャルルロワに在籍)。そのチャレンジが成功か失敗だったかというよりは、自分の過去を振り返ってみて、海外に触れるタイミングはあの時以外になかったのかなと思いました。無理やり行けば別だったかもしれませんが、海外に触れる機会って多くないなって感じました」
 
 確かに日本がワールドカップで好成績を残したいなら、GKの強化はとりわけ不可欠。2014年のブラジル・ワールドカップでドイツ優勝の立役者のひとりがGKマヌエル・ノイアーだったことからも、GKは極めて重要なポジションだと言うことが分かるだろう。

 フォーメーション表記で「4-4-2」「3-5-2」とするのも、「GKは除外されていますから。あれはダメ」とコメントした林。優秀な日本人GKが育つよう、この守護神には自らの経験に基づいたアドバイスを今後もどんどん発信してもらいたい。

構成●サッカーダイジェスト編集部
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