実力者がひしめく中でも別格の輝きを放った2人のレジェンド――オランダ代表の10番列伝

2020年06月11日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

EURO初制覇へと導いたフリットに比肩するのは――

EURO88で優勝に貢献したフリット(左上)、4大会連続で10番を背負ったスナイデル(右上)、3大会で10番をつけたベルカンプ(左下)、EURO2000で得点王に輝いたファン・ニステルローイ(右下)。(C) Getty Images

 過去のメジャートーナメントにおいて列強国の代表チームでは一体誰が栄光の10番を背負ってきたのか。歴代の担い手たちはどんな結果を残してきたのか。10番の価値や意味合いなど各国の事情に触れながら、紹介する。

 ここで触れるのは、数多くの優秀なタレントを輩出してきたオランダだ。

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 オランイェの10番を語る上で外せないのが、ルート・フリットだ。初めてナンバー10を背負って挑んだEURO88では、キャプテンとして全5試合にフル出場。ソ連との決勝では先制点を挙げる活躍を披露し、母国を初優勝へと導いた。29歳で臨んだ4年後のEURO92でも、不動の主力としてベスト4進出に貢献している。

 メジャー大会において、このスーパーレジェンドに比肩する活躍を見せたのが、ヴェスレイ・スナイデルだ。10年W杯では優勝こそ逃したものの、計5ゴールを奪って大会得点王に輝いた。また、オランダでは4大会連続で10番をつけた唯一の選手であり、134試合出場は同国の歴代最多記録だ。
 

 メジャー3大会で10番を背負い、卓越したボールコントロールでファンを魅了したデニス・ベルカンプや、自身初の国際大会となったEURO04で得点王に輝いたルート・ファン・ニステルローイらも背番号に恥じない活躍を見せた。

 だが一方で、98年W杯のクラレンス・セードルフと06年W杯のラファエル・ファン・デルファールトは不完全燃焼。本来の力を発揮できずに大会を後にしている。また、18年9月のスナイデルの代表引退試合で、本人から直接10番を託されたメンフィス・デパイは現在、19年末に負った右膝前十字靭帯断裂からの復帰を目指している。

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