「10ヤード前には決断した」「驚きはなかったが…」18年前の“伝説のターン弾”をベルカンプが回想!

2020年06月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

名将ヴェンゲルも褒めちぎったゴラッソ

ベルカンプがプレミア史に残るゴールを振り返った。 (C) Getty Images

 サッカー史に残るゴールだった。18年前の3月2日に開催されたニューカッスル戦で、当時アーセナルに所属していたデニス・ベルカンプが決めたそれである。

 スコアレスで迎えた11分。ベルカンプは、ロベール・ピレスからのグラウンダーの鋭いパスを、敵CBニコス・ダビザスを背負った状態で受けると、ワンタッチでボールを浮かして逆方向に反転。一瞬でマーカーと入れ替わったオランダ人ストライカーは、冷静にゴール右隅へシュートを決めてみせたのだ。

 当時、アーセナルを率いていた名将アーセン・ヴェンゲルが、「あれほどのゴールはそうそう見れるものじゃない。本当に信じられないゴールだった!」と手放しで褒めちぎった一撃は、いかにして生まれたのか。この度、当の本人が解説した。

 英衛星放送『Sky Sports』によれば、ベルカンプは、自身の自伝本『静寂とスピード』の中で、「私はピレスに足下へボールをよこすように要求したが、後ろの方にきてしまったんだ。それは彼が蹴った瞬間に分かった」と、想定外のパスから生まれたことを明かしている。

「ピレスのパスは私の期待したものではなかった。だからすぐさま別のプレーを考えなければいけなかった。でも、ディフェンダーが私に寄せに来ていて、スペースがあることは分かっていた。だから、足下に来る10ヤード前の時点で決断したよ。彼を反転して抜くとね」
 
 なんとベルカンプは相手DFの動きを先読みしていたのだ。ダビザスの寄せが甘かったとはいえ、味方のパスミスにも咄嗟の判断でクレバーに対応してしまうあたりは、さすが"アイスマン"といったところだろうか。

 ベルカンプは、さらにこう続けている。

「驚きはなかった。ただ、全てが完璧な動きだったからね。あの時のニューカッスルは本当に好調だったし、僕らはアンリら怪我人だらけで、勝てるなんて誰にも思われてなかったと思う。だからこそ私にとっては本当に重要なゴールなんだ」

 観る者を魅了したベルカンプの妙技によるゴラッソ。それは熟練のストライカーらしい読みがあったからこそ生まれたものだった。なお、この01-02シーズンにアーセナルはヴェンゲル政権下での2度目のリーグ制覇を成し遂げている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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