【川崎】全体練習再開に大島僚太が感じる“頭を使う楽しさ”。コロナ後のリーグ戦のポイントは?

2020年06月04日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「日常が戻って来たんだなと」

トレーニングに励んだ大島。リーグ再開へ向けて準備を進めている。(C)SOCCER DIGEST

 6月4日、トレーニング後に川崎の大島僚太がオンライン取材に応じてくれた。

 チームは6月2日から全体練習を再開。7月4日から再スタートするリーグ戦へ準備を進めている。

 順次、グループ練習などは行なっていたが、全員が揃っての本格的なトレーニングは約2か月ぶり。チームの司令塔は「身体の部分はこの2か月間、ある程度の取り組みができたのかなと感じているので、あまり悪くない印象です。ただゲーム形式などになると、頭の部分の整理が少し追い付かないところはあると思います」と現状を説明する。

 もっとも「ひとりでボールを触っているだけでも楽しいタイプの人間」と笑いつつ、仲間たちと実戦を想定したメニューをこなすことで、「やっぱり頭を使うようになって、そういう楽しさを感じるようになりました。チームメイトと試合に向けた話をできると、日常が戻って来たんだなと感じますね」としみじみ語る。

 自宅で過ごした自粛期間では「サッカーに考えがあまり向いていなかった」という。

「医療従事者の方や、スーパーで働いてくださっている方など、皆さんがいるなかで、難しい表現ですが、まずは感染しないように努めなくてはいけないな、という想いで生活していました。自分や妻、家族が感染しないよう、どう生活するべきかを考えさせられる日々でした」と振り返る。

 ただ感染防止策を徹底したうえで、ランニングなども行なってきた。だからこそ「驚きでもあったんですが、体重、体脂肪は変化なく、過ごすことができました」と話す。
 リーグ再開後は厳しい連戦と、無観客試合が予定される。そこでチームを操る10番は"頭の整理"と"声"がポイントになるのではないかと予想する。

「連戦になっても、チームとして掲げているサッカーの整理ができていれば、全員にチャンスがあると思います。そのなかで勝点を重ねていくためには、練習で頭の整理を早めていかなくてはいけないと感じます。

 試合は無観客になりそうですが、サポーターの皆さんの前でやる高揚感だとか、そういったものがなくなってしまうという意味では、多少の違和感はあるはずです。ただ、そこでネガティブになってしまうのは良くない。より声が通る試合になると思うので、しっかりコミュニケーションをとって、試合のなかで喋ることで補えるようにやっていきたいです。攻撃時の会話は上手く利用できると思いますし、守備では、相手に対する圧力やポジショニングのズレを補うことができると感じます」

 この日はゲーム形式のトレーニングも実施。「ボールタッチに関しては違和感はないです。ただそこまでのステップや一歩、二歩の足の運びがスムーズさに欠けているかな」と自身の状態を分析する。

 新しい環境にアジャストしつつ、大島は中断前の輝きを取り戻していくことになりそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事