大舞台での勝負強さが際立った2人のストライカー――イングランド代表の10番列伝

2020年06月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

もっとも輝きを放ったイングランド代表の10番は?

偉大な功績を残したのがハースト(左上)、リネカー(右上)。オーウェン(左下)とルーニーは(右下)は本領を発揮できず……。 (C) Getty Images

 過去のメジャートーナメントにおいて、列強国の代表チームではいったい誰が栄光の10番を背負ってきたのか。歴代の担い手たちはどんな結果を残してきたのか。10番の価値や意味合いなど各国の事情に触れながら紹介する。

 取り上げるのは、歴史的に多くのストライカーが担い手を務めてきたイングランドだ。

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 伝統的に4-4-2を用いてきたイングランド代表の10番は、主に9番とともに2トップの一角を担うストライカーのナンバーとして定着してきた。

 歴代の担い手で最も偉大な功績を残したのが、自国開催の1966年ワールドカップで母国を世界制覇に導いたジェフ・ハーストだ。決勝でハットトリックを成し遂げた唯一の選手としてワールドカップ史に名前を刻んだ。

 そんなレジェンドには及ばないものの、ガリー・リネカーも輝きを放った名手。ベスト8で散ったとはいえ、6ゴールを叩き込んだ86年ワールドカップでは得点王の個人タイトルを獲得し、4年後の90年ワールドカップでも4ゴールを挙げて4位に貢献するなど、大舞台での勝負強さが際立っていた。
 
 アラン・シアラーと名コンビを形成してEURO96のベスト4に寄与したのがテディ・シェリンガム。ただ、ハーストやリネカーのように中心的な役割を果たしたわけではない。

 その傑出したタレントを、代表では存分に発揮できなかったのがウェイン・ルーニーとマイケル・オーウェンだ。とくに歴代屈指の技術とセンスを誇った前者は、ゴール数もインパクトも不十分だったと言わざるを得ない。

 18年ワールドカップ以降のガレス・サウスゲイト監督は、ラヒーム・スターリングの他にハリー・ウィンクス(トッテナム)やロス・バークリー(チェルシー)にも託しており、来年のEUROではMFが10番を担う可能性もありそうだ。

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