象徴的な担い手は2人の偉大なオランダ人。異例のCBの名も――アーセナルの10番の系譜

2020年06月10日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

異質だったのが…

ベルカンプ(左上)、ファン・ペルシ(左下)、エジル(右下)などテクニシャンが多いアーセナルの10番にあって、異質だったのがCBのガラス(右上)だ。 (C) Getty Images

 サッカー界におけるエースナンバーである「10番」。その栄えある番号をメガクラブでは一体誰が背負ってきたのか。

 固定番号制が導入されたシーズンから現在に至るまで、重役を担ってきたアーセナルの10番たちを一挙に紹介する。

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 クラブ史に名を刻んだ2人の偉大な10番は、いずれもオランダ人だ。

 ユース出身の人気者で93-94シーズンのカップウィナーズ・カップ制覇に貢献する一方、アルコール依存症やコカイン中毒に苦しんだポール・マーソンから継承したのが、アーセン・ヴェンゲル時代のチームを牽引したデニス・ベルカンプ。

 03-04シーズンのプレミアで果たした"無敗優勝"の原動力であり、黄金期を代表するレジェンドだ。卓越したセンスと超絶技巧でファンを魅了。コンビを組んだティエリ・アンリとの2トップは歴代最強の呼び声もある。

 タイトルこそもたらせなかったものの、絶対的なエースに君臨したのがロビン・ファン・ペルシ。11-12シーズンにはアンリの年間最多記録に並ぶ30ゴールを量産し、プレミアの得点王に輝いている。

 異例と言えたのが、CBだったガラスのナンバー10。13番を望んだものの当時はアレクサンドル・フレブがつけていたこと、娘が11月10日生まれだったことに加え、ベルカンプの後を継ぐ重圧を同じFWや若手に背負わせないためだったと後日、本人が打ち明けている。

 ファンの期待に応えられなかったのが、生え抜きのジャック・ウィルシェア(現ウェストハム)だ。度重なる怪我にも悩まされ、アカデミーが輩出した天才は不完全燃焼のままメスト・エジルに譲っている。
◆アーセナルの歴代10番の系譜と戦績はこちら
※プレミアリーグが固定番号制に変更した93-94シーズンから

ポール・マーソン(MF /元イングランド代表/在籍期間85~97年)
10番を背負ったシーズン:93-94~94-95
10番時代の公式戦成績:77試合・16得点・5アシスト

デニス・ベルカンプ(FW /元オランダ代表/在籍期間95~06年)
10番を背負ったシーズン:95-96~05-06
10番時代の公式戦成績:402試合・109得点・71アシスト

ウィリアム・ガラス(DF /元フランス代表/在籍期間06~10年)
10番を背負ったシーズン:06-07~09-10
10番時代の公式戦成績:142試合・17得点・1アシスト

ロビン・ファン・ペルシ(FW /元オランダ代表/在籍期間04~12年)
10番を背負ったシーズン:10-11~11-12
10番時代の公式戦成績:81試合・59得点・21アシスト

ジャック・ウィルシェア(MF /イングランド代表/在籍期間08~18年)
10番を背負ったシーズン:12-13~15-16、17-18
10番時代の公式戦成績:141試合・12得点・24アシスト

メスト・エジル(MF /元ドイツ代表/在籍期間13年~)
10番を背負ったシーズン:18-19~
10番時代の公式戦成績:58試合・7得点・6アシスト(6月1日まで)

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年6月4日号より転載
 
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