【川崎】約2か月ぶりの練習再開でもシュート好調の小林悠。無観客試合へのジレンマは…

2020年06月02日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「感覚はなぜかめちゃくちゃ良かった」

キレのある動きを見せた小林。練習再開に喜びを語った。©KAWASAKI FRONTALE

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月末から活動を休止していたJ1の川崎が、6月2日から全体練習を再開させた。

「会ってなかった選手に会えたのは嬉しかったですし、あまり話はしないほうが良いんでしょうが、お互いマスクをしながらですが、話せたのは良かったです。笑顔が多い1日だったと思います」

 そう振り返るのは頼れるストライカーの小林悠だ。

 ひと足先にグループ練習は再開していたが、本格的なトレーニングを積むのは約2か月ぶり。それでも自宅での練習に縄跳びを取り入れ、「最初は1、2分飛び続けるだけでもきつかったんですが、15、20分くらい飛べるようになった」と鍛えてきたからこそ、「グループ練習で感覚を取り戻せましたし、今日も普通にやれていたと思います」と手応えを語る。

 ボールを扱う感覚にしても「しっかり練習していた頃よりは落ちていますが、思っていたよりは全然落ちてなかった」と振り返り、「まったくやってなかったのに、シュートの感覚はなぜかめちゃくちゃ良かった」と何度もネットを揺らすなど、生粋のストライカーぶりも発揮した。

 なぜシュート感覚を維持できていたのか。本人はこう分析する。

「(中断期間は)やれることが少なかった分、身体のバランスだったり、体幹トレーニングなどに時間を費やした分、身体の使い方は良くなっているのかもしれないですね。それがシュートにもつながったのかもしれないです」
 もっとも点取り屋だからこそ、今後、予定されている無観客試合にはジレンマも抱えているようだ。

「(静かなスタジアムで)喜ぶのが恥ずかしいかもしれないですよね。あまり盛り上がらないのはちょっと残念だなとは思います」

 また、感染予防の観点で、味方と抱き合うことなどができないゴールパフォーマンスに関しても、「自然とやっちゃいそうなんですが……そこは気を付けます」と苦笑いを浮かべた。

 ただし、連戦は得意で、FWとしてもメリットは多いと話す。

「試合をして軽いリカバリーをして、また試合が続いていくので、意外と1週間、練習をするよりも良いかもしれないんです。ゴールを決めたあとにすぐに試合が来ると感覚が残っていたりもしますからね。だから連戦は嫌いじゃないです」

 今季は元ブラジル代表FWのレアンドロ・ダミアンと激しいレギュラー争いを展開するが、「(7月4日のリーグ再開まで)1か月あれば(コンディションを)戻せるという感覚はある」と話す男は、再開初戦へ虎視眈々と調子を上げそうだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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