「色んな部分で成長を感じている」泥臭い初ゴールを決めた鎌田大地。その自信と努力は本物だ【現地発】

2020年06月02日 中野吉之伴

ブンデスリーガ再開後に同リーグ初ゴールを決めた

今季公式戦10ゴールと2ケタ得点を達成した鎌田。(C)Getty Images

 フランクフルトでプレーする鎌田大地が、第28節フライブルク戦でようやく待望のブンデスリーガ初ゴールを決めた。

 2017-18シーズンにブンデスリーガ3試合、そして今季は21試合に出場し、何度も何度もシュートを打ち続けてきた。だが強烈なシュートも、巧みなシュートも、なぜかことごとくゴールに嫌われていく。ギリギリに外れたり、ポストやボーに跳ね返ったり、GKの好セーブに阻まれたりした。ゴールかと思えばVAR判定でほかの選手がオフサイド判定となり、ファールをするなどで取り消され、得点だと喜べば試合後にオウンゴールに変更されたこともあった。

 一方でヨーロッパリーグ(EL)では8得点、ドイツカップでも2得点を決めている分、逆になぜブンデスリーガだけゴールが生まれないのか、ファンも首脳陣も、指導陣もチームメイトも不思議がっていた。もちろん本人も、好プレーを続けていたという自負があった。

「悪くないと思うし、僕自身シュートが下手だとは思っていないので、こうたまたま今、点が取れない時期なのかなと。我慢しないとだめだと思う。こういう経験は今までもあった。1点が取れれば変わると思う。プレー自体は僕自身今日もすごい良かったと思うし、できることも増えてきて、成長も感じられてる。あとはほんと点が取れればすごいまたね、成長できるかなと思います」(第3節デュッセルドルフ戦後のコメント)

 鎌田は、得意のトップ下だけではなく、2トップの一角、右サイドFW、右インサイドハーフ、左インサイドハーフなど様々なポジションで起用法をされた。毎試合ごとに自分の役割を整理し、チームのためにやるべきことをしっかりとこなしながら、するするとゴール前に抜けて出ていくチャンスを狙い続ける。

 ただ、フリーでペナルティエリア内に走りこんだのにパスが出てこない。今スルーパスを出してくれたら抜け出せるというタイミングで、ドリブルで持ち込まれてしまったりするシーンも少なくなかった。相手がペナルティエリア付近に守備を固め、マンツーマン気味に相手に食いつかれるとやりにくさは出てくる。試合ごとにチャンスにたくさん絡めることもあれば、なかなかボールを触る機会がないまま急にシュートチャンスが訪れることもある。

 それでも鎌田は自分のプレーに対する自信を失ったことはない。何度シュートを放っても、何度も不運なことになっても、そこへ至るまでの狙いは間違っていないと続けてきた。

次ページ決まらない時期も自信を失った様子はなかった

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