現役イタリア人監督が厳選! セリエAの「超ワールドクラス候補」7選

2020年06月06日 ロベルト・ロッシ

この世代では間違いなく世界のトップ5に入る

マルティネス(左上)、ザニオーロ(右上)、テオ(左下)、デリフト(右下)。いずれもセリエAでプレーする超有望株だ。(C)Getty Images

『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役イタリア人監督のロベルト・ロッシ氏にセリエAでプレーする23歳以下の選手の中から、「超ワールドクラス」へ到達しそうな有望株をポジション別にひとりずつ選んでもらった。

 元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニの下でスタッフを務めたこともある指揮官が厳選した「次代のトップ・オブ・トップ候補」7人を紹介する。

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「ストライカー」
ラウタロ・マルティネス
■現所属クラブ:インテル
■代表/国籍:アルゼンチン代表
■生年月日:1997年8月22日(22歳)
■身長・体重:174㎝・72㎏
■19-20公式戦成績:31試合・16得点・4アシスト


 身長は175センチにも届かないが、体幹の強さが示す通り筋肉量が多いコンパクトな体格に強大なパワーを秘め、すでに技術的にも戦術的にも極めて完成度が高い。

 アルゼンチン人ストライカーとしてはテベス、アグエロの系譜に連なるタイプで、この世代では間違いなく世界のトップ5に入るタレントだ。

 前線をダイナミックに動きながら組み立て、崩し、フィニッシュと攻撃の全局面に絡む1トップとしても、基準点型のCFと組んでその周辺で動くセカンドトップとしても機能。今シーズンのインテルでは後者としてプレーし、パートナーのルカクと連携した動きで中盤からのパスを引き出し、攻撃をフィニッシュする役割を担っている。

 その一方で、アルゼンチン代表で見せているように、「偽9番」的な1トップとして頻繁に中盤に下がって組み立てに絡み、ゴール前に作り出したスペースを使ったり使わせたりするプレーも秀逸。数年以内には、世界トップ5のストライカーに成長する可能性は十分だ。


「ウイング/セカンドトップ」
フェデリコ・キエーザ
■現所属クラブ:フィオレンティーナ
■代表/国籍:イタリア代表
■生年月日:1997年10月25日(22歳)
■身長・体重:175㎝・70㎏
■19-20公式戦成績:26試合・7得点・5アシスト


 爆発的なスピードと強力なシュート、思い切りのいいプレー選択に象徴される強いパーソナリティーを持ち味とするイタリア屈指のタレントだ。

 90年代後半から00年代にかけてパルマやフィオレンティーナなどでストライカーとして活躍した父と比べると、やや粗削りでテクニックの面でも見劣りするが、際立ったフィジカル能力を武器に同等かそれ以上の違いを作り出す。

 マーカーをぶっちぎる長短のスプリント力だけでなく、高強度のアクションを試合終盤まで高い頻度で繰り返せる持久力の高さをも兼ね備えているところが最大の長所。まだ戦術理解力の面に難があり、単独で局面を打開することにこだわり過ぎて無駄にエネルギーを浪費してしまう傾向があるものの、今後その部分が改善され、効果的に周囲と連携しながらより効率的にプレーする術を身につければ、持ち前のクオリティーをチームのために活かし、より高い頻度で決定的な違いを作り出せるようになるだろう。

 伸びしろの大きさも含めて考えれば、数年後にはイタリアを代表するだけでなく、世界のトップ10に入るサイドアタッカーに成長できるはずだ。
 

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