坪井慶介が選ぶJ歴代最強チーム「磐田と同じく観ていてワクワクしたのが…」

2020年05月31日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

94年のヴェルディは格好良くて強かった

坪井が1位に選ぶ「02年の磐田」の布陣。MVPには高原、MIPには鈴木を挙げている。

 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"歴代で最強だと思うチームトップ3"を選んでもらっている。ここでは元日本代表で、現在は解説者である坪井慶介氏の"トップ3"を紹介しよう。

――◆――◆――

「坪井慶介が選ぶ"最強チームトップ3"」

1位 2002年のジュビロ磐田
2位 1994年のヴェルディ川崎
3位 2007年の鹿島アントラーズ
 02年の磐田は完成度がとても高かったです。チーム内での約束事、ポジション毎の決まり事があるなかで、個々の能力が最大限に引き出されていました。
 
 MVPはタカ(高原直泰)。ゴールという分かりやすい結果を出し、得点王に輝いていますからね。名波(浩)さん、(藤田)俊哉さん、ハットさん(服部年宏)、福さん(福西崇史)という先輩方からのメッセージ性の強いパスをしっかりとゴールに結びつけていますし、それを可能とする万能性、例えば両足で強烈なシュートを打てるスキル、ヘディングもミドルも上手い。さらにボレーの技術も凄い。ストライカーとしての総合力の高さは際立っていました。インサイドキックで外国人っぽいのを打てるのはタカしかいないんじゃないかなと思います(笑)。

 僕はDFなので、ポジション柄、鈴木秀人さんのプレーが強く印象に残っています。プロになって初めて見た時、「凄い速いディフェンダーがいる」って衝撃を受けたくらいですから。僕もどちらかと言えばスピードを生かした守備が持ち味だったので、同じタイプの鈴木さんを尊敬していました。ただ単に足が速いだけでなく、カバーリングのタイミング、ポジショニングの修正の速さとかも素晴らしくて、勉強になりました。

 その磐田と同じく観ていてワクワクしたのが94年のヴェルディ。まだ僕は中学生で、正直、細かいことは覚えていません。ただ、格好良くて、強かった。そうしたインパクトがありました。93年以上に成熟されたチームで、オフェンス陣ではビスマルクとラモス(瑠偉)さんが好きでした。とくに中盤で安定していたのがビスマルクで、93年以上の活躍をしたはずです。

 でも、MVPにはペレイラを選びます。相当迷いましたけど、チーム最大のキーマンを考えた場合、このセンターバックだと思ったので。あれだけ攻撃陣が自由にプレーできるのも、ペレイラが最終ラインの真ん中で踏ん張っていたからですよね。とにかく強くて上手い。「こんなに素晴らしいDFがJリーグにいるんだ」って素直に思いました。

 選手個々のパーソナリティはもちろん、チームとしても素晴らしかった。強烈な個性がひとつの集団としてまとまっている。そういうのを観ることができたのは、僕にとって大きな財産になりました。
 

次ページ一気にまくるあたりがいかにも…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事