セルジオ越後が選ぶJ歴代最強チーム「93年のヴェルディは個性的で“プロ”の格式があった」

2020年05月30日 サッカーダイジェスト編集部

ラモス敵にも味方にもリスペクトされて際立つ存在だった

Jリーグ初代王者のV川崎。「個性的なタレントがいて、“プロ”としての格式があった」。(C)SOCCER DIGEST

 5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"歴代で最強だと思うチームトップ3"を選んでもらっている。ここでは、辛口な評論で知られるセルジオ越後氏の"トップ3"を紹介しよう。

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「セルジオ越後氏が選ぶ"最強チームトップ3"」
1993年のヴェルディ川崎
1996年の鹿島アントラーズ
1997年のジュビロ磐田
 
 時代によってレギュレーションやチーム数が異なるから、歴代チームの強さを比較するのは難しい。データだけでは計れない部分があるからね。個人的に強く印象に残っている順で決めたよ。

 1位は93年のヴェルディ。個性的なタレントがいて、他チームに比べて"プロ"としての格式があったチームだ。

 ラモス(瑠偉)は敵にも味方にもリスペクトされて際立つ存在だったし、サッカー人気に火をつけたカズ(三浦知良)の貢献度も大きかったね。他にもビスマルク、ペレイラと強烈なキャラクターを持ったブラジル人選手がいて、観ているだけでワクワクするような面白さがあった。

 ジーコやアルシンドという世界を代表するスーパースターを擁したアントラーズを押さえてリーグ優勝したところに、なにより強さが表われていたよ。

 アントラーズで言えば、96年にリーグ優勝したチームが印象深い。リーグ創世記にいたジーコ&アルシンドにも魅了されたけど、レオナルドとジョルジーニョという当時の現役ブラジル代表ふたりは、さらに素晴らしかった。

 キャリアの晩年でやってきたジーコと違い、彼らは全盛期に近い状態で日本にやってきた。他チームの助っ人と比べても、1段も2段も格が上だった。彼らふたりの衝撃的なプレーの数々は今でもファンの脳裏に焼き付いているはずだ。

 そんなワールドクラスの助っ人と、本田(泰人)、秋田(豊)、黒崎(比差支/久志)ら日本人がうまくマッチしたのが、このチームの魅力だった。この年にアントラーズはクラブ初タイトルを獲得するけど、それも納得の強さだったね。

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