「Jリーグは競争力が高い」「日本に来て本当に良かった」イニエスタ独占インタビュー(3)

2020年05月29日 下村正幸

「Jリーグは全体のレベルがとても拮抗している」

Jリーグは上位と下位の力量差が少なく、どのチームにも勝つチャンスがあるとイニエスタは分析する。写真:徳原隆元

 ヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタが、ビデオ通話で『ワールドサッカーダイジェスト』(インタビュアーは下村正幸氏)の独占インタビューに答えた。4月14日に実施され、ワールドサッカーダイジェスト5月21日号に掲載された元スペイン代表MFのインタビューを、3回に分けて全文公開する(第3回目)

下村氏:Jリーグに来て、間もなく2年が経ちます。サッカーのレベルは想像していたものと違いましたか?

イニエスタ:ポジティブな意味で驚いたよ。Jリーグはとても競争力が高いリーグだ。選手のレベルも全体的に高いしね。試合に勝つのは、もちろんどこのリーグであっても難しい。でもJリーグは自分たちより下位のチームが相手でも、簡単には勝たせてもらえない。

 逆に自分たちより上位のチームが相手でも、勝つ可能性が十分にある。全体のレベルがとても拮抗しているんだ。それがJリーグの良いところだよね。プレーしていて、とても楽しいリーグだよ。

下村氏:Jリーグで対戦して、印象に残っている選手はいますか?

イニエスタ:名前を挙げるのは難しいな。さっきの質問と一緒さ(笑)。外国人を除いても、どのチームにも素晴らしい選手が揃っている。注目に値する日本人プレーヤーがね。僕に自由を与えないために、懸命にぶつかってくる選手も多いしね。全体的なレベルはとても高いよ。
 
下村氏:SNSを拝見すると、日本国内の様々な場所を旅されているようですね。とくに印象に残っている場所はありますか?

イニエスタ:もちろん神戸はいろいろな場所を歩いた。それと、京都はとても気に入ったね。あとは奈良、東京、大阪にも行った。時間が許す限り、妻や子供たちと一緒に色々なところを訪ねるようにしている。僕たちにとって日本は未知の国だったから、どこにいっても楽しいし、驚きがあるんだ。

下村氏:スペインとはまったく異なる日本の生活を、とても気に入っているようですね。

イニエスタ:すごく気に入っているよ。日本に来た最初の日からね。誰もがとにかく親切で、愛情を持って接してくれる。日本に来ることを決断して、本当に良かったと思っているよ。

下村氏:いつかバルサに戻るとしたら、どんな役割がいいですか? 監督、フロント、育成コーチ、それとも会長?

イニエスタ:自分が望んでなれるわけでもないしね(笑)。いつの日かバルサに戻りたいとは思っているよ。重要なのは、まずはどういう役割か。そして、僕自身がその与えられたタスクに対して準備ができているかどうかだ。時間が解決してくれるよ。僕はとにかく今を楽しみたい。今日というこの日をね。そうやって生きていけば、自ずと道は開けてくるはずさ。

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