「バルサは唯一無二であり続けている」「デヨングとアルトゥールは適応の途上」イニエスタ独占インタビュー(2)

2020年05月28日 下村正幸

「ペップが目指していたサッカーは…」

ペップ就任1年目の08-09シーズンにバルサは、スペイン史上初の3冠を達成。イニエスタも主力に成長した。(C)Getty Images

 ヴィッセル神戸に所属するアンドレス・イニエスタが、ビデオ通話で『ワールドサッカーダイジェスト』(インタビュアーは下村正幸氏)の独占インタビューに答えた。4月14日に実施され、ワールドサッカーダイジェスト5月21日号に掲載された元スペイン代表MFのインタビューを、3回に分けて全文公開する(第2回目)
 
下村氏:ペップの監督就任によって、あなたはバルサが強くなると確信していたんじゃないですか? 当時の有名なエピソードがありますよね。ラ・リーガの開幕戦でヌマンシアに敗れ、続くラシン・サンタンデール戦もドローに終わった後のことです。

 あなたはペップを、「監督、心配する必要はないよ。僕たちはきっと全てのものを勝ち取れる」と励ましたそうですね。それがまさに現実になったわけです(編集部・注/この08-09シーズンにバルサはスペイン史上初の3冠を達成)。


イニエスタ:戦術的にはそれまでと違った試みをしていて、プレシーズンマッチでの試合内容も良かった。だから、チームの仕上がりに手応えを感じていたんだ。ペップが目指していたサッカーは、僕たち選手にとっても歓迎すべきものだったしね。

 だから最初の試合に負けて、次の試合に引き分けても、チームはまったくネガティブになっていなかった。「きっと素晴らしいシーズンになる」という自信が、僕たちにはあったんだ。全てのタイトルを勝ち取るなんてとてつもなく難しいミッションだけど、そんな確信があったのさ。結果はともかく、チームが良い方向に進んでいるという実感があったね。
 
下村氏:これまで一緒にプレーした選手で、最も大きな衝撃を受けたのは誰ですか?

イニエスタ:僕はこれまで多くのトッププレーヤーたちと一緒に戦ってきた。その中で数人の名前を挙げるのは難しいな。本当に難しいよ。だって、みんな素晴らしい名手ばかりだったからね。

下村氏:おっしゃる通りです。素晴らしい選手ばかりでした。では、敵として戦ったことのある選手で、最も衝撃を受けたのは誰ですか?

イニエスタ:同じだよ。みんな素晴らしい選手ばかりだった。その大半は対戦する前からどんなプレーをするか分かっていたしね。トップクラスのプレーヤー、チームと僕は対戦を重ねてきた。

 スペイン、ヨーロッパ、そして世界のね。そうした素晴らしい選手たちとチームメイトとして一緒にプレーし、あるいはライバルとして対戦していくうちに、僕は様々なことを学び、成長していったんだ。

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