【湘南】J3の福島にドロー らしさは見られるも指揮官は「入り方は反省しなければ…」 

2015年02月01日 隈元大吾

2年ぶりに復帰した高山は「仲間同士のプレーの意図は感じられた」

対 福島戦(△1-1/45分ハーフ)の湘南のフォーメーション。得点者/福島=金弘淵(4分)、湘南=アリソン(78分)。

 先に試合を動かしたのは、福島だった。右サイドへ展開し、石堂和人のクロスに金弘淵がヘッドで合わせる。試合開始間もない4分のことだ。
 
 湘南の曺貴裁監督は振り返る。
「身体のキレやプレーの連続性は、この時期にすべてあるわけではない。それはさておき、ゲームの入り方でいうと、相手がどう出てくるか構えてしまい、我々らしい感じが最初は出なかったので反省しなければいけない」
 
 湘南のメンバーは、2年ぶりにチームに復帰した高山薫を含め、スタメンの11人のうち6人が新加入選手だった。始動からこれまでのトレーニングを通じ、コンパクトフィールドと前線からの連動した守備、それに伴う選手間の距離など、強く意識されていたに違いない。
 
 反面、「自分たちのスタイルで大事にしているキープレー、たとえばボールを奪ったあとにどこへボールを運んでいくか、取られたあとに何を大事にするか、そのテンポのなかで1秒に満たないズレはまだ当然ピッチのなかにある」と指揮官が語った通り、攻守のディテールはチームとして今後突き詰めていくポイントとなる。
 
 ポゼッションに勝る湘南は、コンビネーションの面ではまだこれからの印象も、しかし守から攻への切り替えのスピードやゴール前に人数をかける部分など、らしさは随所に散りばめられていた。高山のプレスを契機に中盤でボールを奪えば、山田直輝を起点に展開し永木亮太がシュートを狙った場面ではボックス内に5人が入り込んでいた。
 
 メンバーを入れ替えた後半もゲームを主導すると、78分、古林将太のクロスからアリソンがヘディングで仕留めた。この時、左サイドで武田英二郎や三竿雄斗、高山らが作り、中央を経て、古林が右サイドをドリブルでえぐるまでに敵陣でつないだパスは20、いや30に達したろうか。一度も途切れることなく同点ゴールに至ったこの一連にも、新たなメンバーとともに昨季の片鱗を覗かせたものだった。この結果、ゲームは1-1で幕を閉じた。
 高山は言う。
「攻撃の時、上手くいかない部分も多かったんですけど、仲間同士プレーの意図は感じ取ることができた。そこはプラスだと思います。チャンスもあったし、裏で動き出したりヘディングを合わせたりといった大事なところはできていたので、あとはしっかりトルコキャンプなどを通して最後の質を上げていきたい」
 
 山田も同様に、「最後の詰めのところ」に触れた。
「まだ入って来て日が浅いですし、最後のちょっとした工夫やコンビネーションは、他の選手と一瞬だけ反応が合わずにうまくいかないことが多い。開幕まであと1か月ほどあるので、完全に詰めて、自分の良さを理解してもらい、僕も他の選手の良さを理解していかなければいけないと思います」
 
 間もなく始まるトルコキャンプでは、東欧を中心とするチームと約2週間で6、7試合のトレーニングマッチが予定されている。実戦を通し、プレーの呼吸と質を突き詰めていく。
 
取材・文:隈元大吾(フリーライター)

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