「気づいたら肩を噛まれてた」キエッリーニ、スアレスとの“噛みつき事件”を回想!「僕もやっていたかも…」

2020年05月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

スアレスに賛辞? 一体なぜ

肩を抑えるキエッリーニ(奥)と歯を抑えるスアレス(手前)。この両者を捉えた一枚は当時、大きな話題となった。 (C) Getty Images

 ユベントスに所属するイタリア代表DFジョルジョ・キエッリーニの自伝本『Io, Giorgio』が大きな話題を集めている。

 人気の理由は、百戦錬磨の戦士が本音を綴った刺激的な内容だ。

 ユーベの元同僚であるフェリペ・メロ(現パウメイラス)を「腐ったリンゴ」とこき下ろせば、レアル・マドリーのスペイン代表DFセルヒオ・ラモスについては、「2018年のチャンピオンズ・リーグ決勝でサラーに対してやったプレーは、お見事な腕前だった」とエジプト代表FWを負傷退場に追いやったシーンを皮肉るなど、歯に衣着せぬ表現が話題となっている。

 そんな赤裸々な自伝の中で、キエッリーニはかつて物議を醸した"あの"ストライカーとの対戦も振り返っている。そう、ウルグアイ代表FWルイス・スアレス(現バルセロナ)との噛みつき騒動である。

 遡ること6年、ブラジルで開催されたワールドカップのウルグアイ戦(グループリーグ)で、キエッリーニは、試合終盤の79分にエリア内でもつれたスアレスに「ガブリッ!」と肩を噛まれたのだ。

 結局、試合中に両雄が罰せられることはなかったが、後に問題のシーンが明るみになり、"蛮行"を犯したスアレスはFIFAから4か月の活動禁止処分を下された。
 自伝本の一部を抜粋した米メディア『ESPN』によれば、"被害者"となったキエッリーニは、スアレスに対する想いを、こう綴っている。

「"悪意"を失ったら、普通のフォワードになってしまう彼の狡猾さには本当に感心するよ。2014年のワールドカップのあの日は何もおかしなことは起きていない。僕は試合中、ほとんどはカバーニをマークしていた。そして、ふと気がつくと、肩に噛み付かれていた。それだけさ。あの行為は接触中における彼の戦略であり、僕もそのようなことをする可能性だってある」

 スアレスの振る舞いを「戦略だ」として擁護したイタリアの"闘将"は、さらにこう続けている。

「彼は僕と似ていて、彼のようなアタッカーを相手にするのが好きなんだ。騒動の数日後に電話で話したけど、謝罪の必要なんてなかった。僕もピッチの上では偉そうにしているし、それを誇りに思っている。悪意もサッカーの一部であり、相手に勝つにはずる賢くなければならない」

 当時、世界中から非難を浴びたスアレスの行為に理解を示したキエッリーニ。幾多の名手と渡り合ってきた男だからこその言葉と言えるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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