【名古屋】楢﨑正剛が次代のGK育成へ。後進に“極意”を伝授

2020年05月16日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「GKの究極のプレーはボールを正面でキャッチすること」

オンライン講座で小学生を指導した楢﨑。分かりやすくGKの基本技術などを伝えた。(C)SOCCER DIGEST

 新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続くなか、J1名古屋では、オンラインでのGK講座を開講している。

 指導者は日本を代表する守護神で、2018年限りで現役を引退し、現在は名古屋でアカデミーダイレクター補佐兼GKコーチを務める楢﨑正剛と、佐々木理アカデミーダイレクター兼GKチーフコーチ、広野耕一アカデミーGKコーチの3人。小中学生に向けて、GKとしての心がまえや技術などを指導している。

 講座は小学生の部(小学3年~小学6年生)と中学生の部に分かれ、それぞれ全4回実施(定員はともに70名)。5月16日には小学生の部の第2回の様子がメディアに公開された。

 講義は楢﨑が中心となり、映像などを用いて実施。今回は「シュートを止める」「DF背後をカバーする」をテーマに、ポジショニングの重要性などを伝えた。

 楢﨑は自らの経験則をもとに「ボールとポストを結んだ中間地点に必ずポジショニングすること」「GKの究極のプレーはボールを正面でキャッチすること。派手なセービングは光るけど、目指すのはそういうプレー」「基本も大事だけど、自分なりのボールのキャッチング方法を見つけることが大事」などと、"守護神の極意"とも言える印象的な言葉を活用して、分かりやすく指導。

 朗らかな口調で、時には子どもたちを笑わせながら、約45分の講座を進めた。
 
 楢崎は「何をしたら喜んでくれるのだろうかと常に意識しながら講座を行なっている。オンラインなので、細かいディテールなど伝わりにくいところもあり難しいが、逆にこういう状況だからこそ企画できたことだと思う。オンラインなので、遠くは北海道など全国から参加してくれることも嬉しいし、質疑応答でその土地の言葉で話しかけられるのも面白く新鮮。残りの回も相互でうまくコミュニケーションをとれるように進めていきたい」とコメント。

 そしてアカデミーGKコーチとしての今後の活動に関しては、「アカデミーの活動も休止中が続き、まだ今ひとつリズムがつかめていない。それでも今日のような活動もできるし、コーチとしての重要な仕事のひとつだと感じている」と話した。

 また佐々木アカデミーダイレクター兼アカデミーチーフGKコーチは同企画の意図を、「学校が休校になり、部活やクラブの練習も休止になる中、GKをやっている子どもたちに何かグランパスができないかと考えていた。トレーニング紹介というよりは、GKのプレーポイントに関して知っていただくことで、うまくなるためのヒントにしてもらえればと思った。また、楢崎が現役時代の経験やピッチ上で考えていたことを子どもたちに伝えることは、貴重な機会になると考え、今回のオンラインGK講座を企画した」と説明。

 貴重な経験を得た子どもたちが、今後どう成長していくのか楽しみだ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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