「ボールを奪える気がしなかった」FC東京クラブナビゲーターの羽生直剛氏が明かす“現役時代に衝撃を受けた選手”

2020年05月15日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「本当にいい選手だな」と思った東京の同僚は?

「上手いと思う選手は大勢いた」と語る羽生氏がとりわけ衝撃を受けたのは? 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 過去の名勝負を放送する「DAZN」の「Re-Live」で配信中の、2008年の「東京ダービー」の解説を務めた羽生直剛氏。2002年に筑波大学からジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド千葉)に加入し、攻撃的MFとして活躍。08年に移籍したFC東京では、通算8シーズンに渡って主力を担い、レジェンドのひとりとなった。

 ジェフ時代の恩師イビチャ・オシム監督の下で日本代表でもプレーした名手が、16年に渡る現役生活の中で、もっとも衝撃を受けた選手は誰だったのか――。

―――◆――◆―――
 
「衝撃を受けた」というフレーズでくくるなら、最初に思い浮かぶのは浦和のエメルソン選手ですね。大卒で入ってルーキーの時に対戦した時は、「こんな選手がいるのか」と驚かされました。圧倒的なスピードがあって、技術も高くて、シュートも決める。ドリブルが始まったら、止められないみたいな印象でしたね。

 衝撃度で言えば、ジェフでチームメイトだった(元韓国代表・現FCソウル監督)チェ・ヨンス選手も負けていなかった。シュート練習でほとんど外しません。「絶対的なストライカー」というのは、これほどすごいのかと思わされました。

 そのチェ・ヨンス選手と同じくらい、練習中にヘディングでもボレーでもシュートを外さなかったのが、日本代表で一緒にプレーした高原(直泰)選手です。ボールを持ったら、独力でシュートまで行けるし、日本にもこんな万能なストライカーがいるのかと衝撃を受けました。

 衝撃とは違うのですが、「本当にいい選手だな」と思ったのは、東京で同僚だったルーカス選手です。フォワードも中盤もできるし、どんな役割でもこなせる。献身性もあって、人間的にも素晴らしい。日本で長くプレーした理由が分かりますよね。派手さはないのですが、どんなチームに行っても活躍できた選手だと思います。

 守備をしていて、翻弄されたのが中村俊輔選手です。サイズがあって、懐が深くて、全然取れないところにボールを置く。そのうえ、あの大きいキックフェイントもある。ボールを奪える気がしませんでしたね。
 

次ページ「おとりで走ったのにぴったりパスを出してくれた」名手とは?

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事