ミラン インザーギ続投を決める一方、守備と前線の補強に狂奔――ボッケッティ、アントネッリ、デストロ、ターラブト…

2015年01月28日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ローマからデストロ獲得で合意を取り付けるも…。

危機的状況のミランは戦力補強に奔走。写真左上から時計回りに、獲得を決めたボッケッティ、アルメロとの交換を画策するアントネッリ、エル・シャーラウィの穴埋め候補のターラブト、ローマとは合意したデストロ。 (C) Getty Images

 1月27日のコッパ・イタリア準々決勝でラツィオに0-1で敗退したミランは、解任の噂も流れていたフィリッポ・インザーギ監督の続投を決める一方で、ウイークポイントとなっている最終ライン、そして前線の補強になりふり構わず奔走している。
 
 まず、突如獲得が決まったのが、2010-11シーズンにジェノアからルビン・カザンに移籍して以来、ロシア・リーグでプレーを続けてきた元イタリア代表DFサルバトーレ・ボッケッティ(現スパルタク・モスクワ)。
 
 ボッケッティはスパルタクのキャンプ地であるスペインから27日夕方にミラノ入りしており、28日にメディカルチェックを受けて契約書にサインする見通しだ。移籍形態は買い取りオプション付きレンタル。
 
 最終ラインの補強はそれだけでは終わらない。アドリアーノ・ガッリアーニ副会長は過日、今シーズン末にパレルモとの契約が切れるアルゼンチン人CBエセキエル・ムニョスの獲得に向けて、移籍金150万ユーロ(約2億1000万円)を支払って1月に獲得するというオファーを出した。パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長は回答を保留しており、28日以降、改めて話し合いが持たれる見通しだ。
 
 かねてからの懸案となっている左SBに関しては、友好的な関係にあるジェノアに対して、コロンビア代表SBパブロ・アルメロを差し出し、イタリア代表SBルカ・アントネッリを譲り受ける交換を申し出ている。
 
 当初ミランはインテルにアルメロとイタリア代表FWパブロ・オスバルドの交換をオファーしたが断られており、矛先をジェノアに変更したという経緯だ。
 
 前線の補強に関しても大きな動きがあった。
 
 シャフタール・ドネツクのブラジル代表FWルイス・アドリアーノを獲得するメドがほぼ立ったことで、マッティア・デストロの放出に踏み切ったローマと交渉を進めて、買い取りオプション付きレンタル(レンタル料70万ユーロ=約9800万円、移籍金1500万~1600万ユーロ=約21億~22億4000万円)で合意を取り付けたのだ。
 
 しかしデストロ自身は買い取りオプション付きレンタルでの移籍を望んでおらず、完全移籍か、レンタルでも移籍が事実上確定する買い取り義務付きの形態を求めている。いずれにしても、今週中に最終的な決断を下すことが必要だ。
 
 さらにミランは、ステファン・エル・シャーラウィの再度の長期離脱(足指骨折)で前線にできた穴を埋めるべく、昨シーズン後半にレンタルで所属していたモロッコ代表MFアデル・ターラブト(QPR)の獲得にも動き出した。ただしこの動きにはコッパ・イタリアの敗退でブレーキがかかっている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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