【柏】“恐怖のホットライン”。オルンガのゴールを解剖して見えたベストパートナーは…

2020年05月10日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

活躍の要因は「連係面がかなり良くなった」からだった

札幌とのリーグ開幕戦で2得点を決めたオルンガは、G大阪とのルヴァンカップでも1ゴールを奪取。J1クラブを相手でも通用すると、結果で証明している。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 柏のオルンガは、日増しに株を上げているストライカーだろう。昨季J2の30試合で27ゴールを挙げ、最終節の京都戦では1試合で8ゴールを奪取。特大のインパクトを残して注目度を上げると、今季のJ1開幕戦(vs札幌/〇4-2)でも2得点を決めた。セルジオ越後氏も開幕直後のコラムで「"ホンモノ"の匂いがするストライカー」と評している。

 結果を残して株を上げ、注目度も高まりつつあるのは、FWとしての能力が高いからだろう。193センチ・85キロという恵まれたフィジカルに加え、スピードもあって身体能力が抜群。さらに、「先手を取る動きを意識している」と自ら言うように動き出しも巧みで、シュート決定力もある。ストライカーに必要なスキルを高次元で兼備しているのだ。

 もちろん、個人の能力も素晴らしいが、昨季7月のインタビューでオルンガに得点量産の要因を聞けば、「チーム戦術やチームメイトの特徴もよく理解できて、連係面がかなり良くなったから」と答えていた。その言葉どおり、結果を残して株を上げる活躍ができたのは、味方との連係向上のおかげでもある。そこで、昨季の全27ゴールを解剖してみた。

 集計したのは、全27ゴールのアシスト者。単独突破やこぼれ球を押し込んだ得点を除き、オルンガへ最も多くアシストしていたのは、クリスティアーノだった。全得点の3分の1にあたる9アシストを記録している。まさにベストパートナーと言えるだろう。

 しかも、クリスティアーノ→オルンガの連係によるゴールパターンは多彩で、クロスからのヘッド、セットプレー、密集地帯での細かいコンビネーション、ワンツーによる崩し、スルーパスからの裏への抜け出しなど多岐に渡るのだ。

 オルンガと同じくクリスティアーノもFWとしての能力が高く、そんなふたりがコンビネーションも良いのだから、対戦相手からしてみれば、まさに"恐怖のホットライン"とも言えるだろう。

 オルンガが今季の開幕戦に決めた2得点のうち1ゴールも、65分にクリスティアーノのスルーパスに反応してネットを揺らしたもの。ベストパートナーとのコンビネーションはJ1でも通用する可能性を示した。残念ながらリーグは中断中だが、再開後は"恐怖のホットライン"に期待したい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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