【黄金の記憶】ガンバ最強助っ人はいったい誰か。遠藤保仁の回答が超意外だった

2020年05月04日 川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

ヤットの攻撃性能を最大限に引き出した守備職人

在籍20年目。遠藤はいまだ、ガンバになくてはならない存在だ。(C)SOCCER DIGEST

 当サイトで好評を博した連載『黄金は色褪せない』。1999年のナイジェリア・ワールドユースで銀メダルに輝いた"黄金世代"のなかから、小野伸二、遠藤保仁、小笠原満男、稲本潤一、本山雅志の5人に登場してもらい、その華麗なるキャリアの全容に迫ったインタビューシリーズだ。

 今回はGW企画として、数多ある興味深いエピソードから厳選した秘話をお届けしよう。

 第2弾は、遠藤の登場だ。ヤットが考える「ガンバ大阪・最強助っ人」に迫り、予想だにしなかった人物の名が飛び出した。はたして浪速の雄のすべてを知り尽くすカリスマは、どの外国籍選手をベストに選んだのか──。

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 万博を新天地と選んだのが2001年の春。いまや遠藤保仁はガンバ大阪の生き字引にして、生ける伝説だ。
 
 なんとなく訊いてみたのは、ヤットが考える「ガンバ最強助っ人は誰か」だ。
 
 長きに渡るガンバでの日々、苦楽をともにした外国籍選手は数知れない。やはり印象深いのは、遠藤自身のラストパスに呼応してゴールラッシュを決め込んだ一線級のストライカーたちだ。アラウージョ、マグノ・アウベス、パトリックのいずれかが有力候補で、タイトル奪取の貢献度で推し量るなら、ルーカスかシジクレイも妥当な線。常人離れした思考回路を持つ遠藤だけに、大穴として技巧派のマルセリーニョ・カリオカあたりまでを想定していたが、どれもこれも不正解だった。

 
「たしかに普通に考えれば、アラウージョかマグノになるんかな。あの決定力は半端なかったし、チームを勝利に導いたってところではあのふたりのどっちかやと思うよ。でも、俺の中での最強は違う。地味やけど、ファビーニョ」
 
 一瞬、頭の中が「???」となったが、遠藤の「ほら、小柄で10番着けてたブラジル人」という一言でようやく思い出した。

 2002年、西野朗政権の1年目に、1シーズンだけ在籍したボランチだ。ちなみにその翌年から二川孝広が彼の後を継いでガンバの10番を背負うわけだが、またなにゆえにファビーニョがナンバーワンなのだろうか。

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