「この攻撃陣なら、お客さんを集められる」【早野宏史が選ぶJ歴代ベスト11】

2020年05月05日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

やっぱりカズは外せない

赤く囲っているのが「MY BEST PLAYER」。早野氏が挙げたのは、横浜で指導した井原正巳だ。

 4月23日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代ベストイレブン」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に"マイベストイレブン"を選んでもらっている。人選の条件は現在までに登録されたJリーガーで、外国籍選手は3人まで。ここでは、横浜、G大阪、柏などの監督を歴任した早野宏史氏の"マイベストイレブン"を紹介しよう。

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 選出基準は3つ。ひとつ目は〝観たい″プレーヤーかどうか、ふたつ目はJリーグへの貢献度、3つ目は全盛期の能力の高さ。そうなると、やっぱりカズは外せないでしょう。どちらかと言えば、今というよりもV川崎時代の活躍ぶりと注目度を考慮して選んだ。ただ、影響力に関しては今でも続いていて強烈で、Jリーグを支えている。多くの驚くプレーを見せてくれたレオナルドも、凄かった。
 2トップと同じく中盤も〝観たい″選手たち。ピクシー(ストイコビッチの愛称)のプレーは「我々はサッカーをなめてたのかな」と思ってしまうほど技術が高かったし、ヒデは平塚にいた10代の頃から、のちにアジア最高の選手になるだけのメンタルが備わっていた凄い選手だった。いつの時代もどのチームでも試合に出れているイニエスタと遠藤は、自分の〝サッカー哲学″があるから、力が落ちないし長くプレーできている。

 彼らも含めてこの攻撃陣なら、お客さんを集められるだろうね。失点は多いかもしれないけど……、監督は規律を求めるヴェンゲルに任せたら、どうか。グランパスを指揮していた当時、あのチームをまとめる力、知識、決断力、冷静さ……、いろんな面で凄いなと感じた。

 ただし主観は入るから、最も想い入れが強いのは井原。僕が監督を務めて優勝した95年の横浜で、キャプテンとしてよく貢献してくれたのは、非常に印象に残っている。特に最終ラインは横浜で関りのある選手を多くしたから、懐かしいね。

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