「どうやって接触プレーを避ける?」「ツバ吐きはリスクに繋がる」FIFAの医療部門トップがリーグ再開に警鐘!

2020年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「彼らがやるべきは来季の準備だ」

各国リーグの再開に警鐘を鳴らしているドホヘ氏。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、サッカー界にも大きな影響を与えている。すでにオランダのエールディビジを含む一部のプロサッカーリーグは2019-20シーズンの打ち切りを決定。フランスのリーグ・アンも9月1日まで大規模な集会を禁止する政府の方針が発表されたことを受け、打ち切りが濃厚になっている。

 一方で、ドイツでは一定の条件下でトレーニングが再開された。イングランドやスペイン、イタリアでもクラブトレーニングが再開に向けて少しずつ動き出し始めており、シーズン再開へ準備を整えているとされる。

 そんななか、国際サッカー連盟(FIFA)で医療部門のトップを務めるミシェル・ドホヘ氏は 英国公共放送『BBC』が伝えた。

 ドホヘ氏は同局の取材に対して「今後数週間でフットボールが再開するのは、医学的見地からは非常に懐疑的だと言わざるを得ない」と述べ、警鐘を鳴らした。
 
「今、フットボールクラブがやるべきことは、来季に向けていい準備をすることだ。リーグ再開にリスクは間違いなくあり、それは小さな結果で済むようなリスクではない。生きるか死ぬかにかかわる問題になり得る。私は医師として話しているので、リーグを主催する経営者としての意見を述べることはできないが、健康は経済よりも重視されるべきだ」

 そして、リーグ再開の場合に設定されるであろう"ルール"も、現実的ではないと批判している。

「一定のルールのもとであれば、安全だという意見もあるが、サッカーでどうやって接触プレーを避けるのだろう? そんなルールがある状態で行なわれるプレーはサッカーと呼べるのだろうか?

 本当に完全にプレーできる状況が整うのは、予防接種プログラムが完成してからだ。また、衛生面でのルールは見直すべき。最低でもピッチに唾を吐くことは禁止しなければ。将来的なリスクにかかわるので、罰則を設けるべきだと思う」

 欧州サッカー連盟(UEFA)はシーズン完遂を求めており、ドイツでは早ければ5月にもリーグが再開するのではないかと報じられている。

 果たして、各国リーグは2019-20シーズンの再開を迎えるのか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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