昨季収入は“過去最多”82億円超えも、今季は未曽有の危機に…浦和は「コロナショック」をどう切り抜けるのか

2020年04月25日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

順調にスタートした矢先に…

今季は公式戦2連勝と好スタートを切ったものの……。予想外の中断を余儀なくされた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 浦和レッズは4月24日、2019年度の経営情報を開示した。

 19年の浦和はACL準優勝とアジアチャンピオンの座に迫った一方で、3年連続の監督交代に揺れ、国内リーグ戦では予想外の残留争いに巻き込まれるなど苦しんだ。

 結局無冠のまま終えたシーズンだったが、経営面を見れば、過去最高の82億1,766万円の事業収入を記録と上々。営業費用は80億8,172万円で、結果1億3,594円の営業利益を計上した。9年連続で黒字を確保したのである。

 そのうち広告料収入は、新規パートナーの獲得などが功を奏し、過去最高の38億円超え。また入場料収入は約23億円、グッズ収入は前年を下回るも2年連続で9億円を超えた。その他には、ACL準優勝の賞金なども含め11億円の収入もあった。

 そして、次はチームとしての成績を挽回しようと意気込んで臨んだ今季。ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ延期に見舞われた。
 
 24日、オンライン会議ソフトZoomでのビデオ取材に応じた立花洋一代表取締役社長は言う。

「今シーズンが始まる前に、強化体制を変えて、新たに取り組んでまいりました。沖縄の合宿から始まって、順調にスタートした矢先に、こういった新型コロナの感染症の影響で、活動を停止する状況になりました。こういうなかで、我々は最大限、感染拡大防止に向けて、いろんな協力をし、なんとしても一刻も早く、リーグ戦、活動の再会を図りたいと、チーム一丸となって取り組んでいるところです」

 早期のリーグ開幕が望まれるが、今は再開の見通しは立っていない。当然ながら経営面でのダメージは深刻だ。

「サッカークラブはどこも同じだと思いますけど、パートナー企業と広告のスポンサー支援、入場料収入、グッズ収入、リーグの分配金等の収入、その4つの大きな柱があります。いずれもJリーグを開催することで得られるのがベース。しかし今は試合ができない状況で、我々としては、非常に大きなリスクを抱えていると認識し、様々な対策を実行しているところです。大きなところで言えば、収入をいかに減らさないか、費用をいかに削減していくか。社内でプロジェクトチームを立ち上げ、フロント一体となって取り組んでいます」

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