「俺は寄付なんかしない!」アデバヨールの発言が物議! “トーゴの英雄”はなぜ母国に援助の手を差し伸べないのか?

2020年04月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

「俺がウイルスを持ちこんだと考えるヤツらもいる」

身勝手な行動も目に付くアデバヨールだが、今回の発言には真意があるようだ。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの影響で、各国リーグが中断や打ち切りを余儀なくされるなか、自らの給与、または貯金を切り崩して、医療従事者や貧困にあえぐ母国に寄付をするフットボーラーは少なくない。

 だが、そうした風潮に水を差すような決断をした男がいる。元トーゴ代表FWのエマヌエル・アデバヨールだ。

 2003年にモナコで一躍ブレイクを果たしたアデバヨールは、その後、アーセナルやマンチェスター・シティ、レアル・マドリーなど5か国10チームを渡り歩き、36歳となった現在はパラグアイの強豪オリンピアでプレーしている。
 

 現在はパラグアイ・リーグが中断されたため、母国トーゴに帰国中というアデバヨールは、現地時間4月23日に行なったFacebookのライブ配信中に自ら「俺は寄付なんかしない」と言い放ったのだ。

「俺が母国に寄付をしていないと言っている君たちに告ぐよ。これは明らかにしておきたいんだ。いいかい? 俺は寄付なんかしない。実にシンプルな話だ。俺は自分がやりたいことをやり、食べたいものを食べる。それだけだ」

 一聴するだけでは、傲慢な発言にも取れる。だが、以前に親族から執拗に金銭を要求され、「自殺も考えていた」と明らかにしていたトーゴ・サッカー界が生んだスターには、故郷へ熱心な寄付を続けているディディエ・ドログバやサミュエル・エトーといった他のアフリカ人スターとは異なった考えがある。アデバヨールは、さらにこう続けている。

「俺がトーゴに寄付をしなかったという事実で批判してくるヤツらがいる。一部の人間は、俺がロメ(トーゴ首都)にウイルスを持ち込んできた人間だと考えているぐらいだ。とても残念だが、この国はそんなもんだ。人々は俺をドログバやエトーと比較する。だけどな、俺は残念ながら彼らではない。俺はエマヌエル・アデバヨールだ。だから、いつだって俺がやりたいことをするだけだ」

 自身の態度をハッキリと示したアデバヨール。そんな彼のコメントにSNSでは、「足枷になるようなら寄付はするな」や「自由人でいて欲しい」といった賛同する意見が寄せられた一方で、「スターなら困っている人々を救うべきでは?」や「自分だけが助かればそれでいいのか?」といった手厳しいネガティブなコメントも殺到している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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