【担当コラム|横浜】喜田拓也の揺るぎない“チーム愛”、そして仲間を信じる心

2020年04月23日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「そういう気持ちがあるだけでは意味がない」

今季もキャプテンマークを託された。「頼りになる仲間がたくさんいるので、みんなで協力して、横浜F・マリノスの価値を高めていきたい」と抱負を語る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 小学生からトリコロール一筋。今季の横浜F・マリノスで、扇原貴宏、マルコス・ジュニオールとともにキャプテンを務める喜田拓也の"チーム愛"は揺るぎない。

 今年の8月で26歳を迎える。サッカー人生のほぼすべてをF・マリノスで過ごしているだけに、「当然、愛着もある」。

 ただし、このクラブが好きだから、という想いだけでF・マリノスにその身を置いているわけではない。「勝つために必要だと思ってもらえるように」常に高みを目指し、自らをアップデートさせている。生え抜きというだけで、厳しいプロの世界で契約を勝ち取れないのは、本人も重々承知している。「この先、どうなるかなんて誰にも分からない」と。

 常に危機感を抱いてはいるが、「ただ……」と言って、喜田はこう続ける。

「この先、何があったとしても、愛があることは間違いない。自分にとって特別なクラブ。それはもう、何ものにも代えられない」

 少なくとも、今はその唯一無二のクラブであるF・マリノスの一員である以上、すべてを捧げる覚悟でいる。「F・マリノスを知る身として、引っ張っていく責任がある」と意気込む。それは「使命」という言葉にも置き換える。
 
「別に、育成出身だからやらなければいけないっていうこともないけど、育成出身だからこそ、という意味はあるとも思う。新しく入ってくる人も、覚悟を持って来てくれているはず。それでも、各々のパーソナリティもあるし、誰かが引っ張っていかないといけない」

 発する言葉も熱を帯びてくる。「そういう気持ちがあるだけでは意味がない。それを示さないと。結果で表わしていかないと」と表情を引き締める。

 とはいえ、独り善がりになっているわけではない。気力を奮い立たせてはいるが、気負っているわけではない。

「チームを良い方向に導きたい。それは常に考えていることで、誰かが行動を起こさないといけないと思うけど、でもそれは自分ひとりで作れるものではないので。上手くバランスを取りながら、引っ張っていければいい」

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