「死の脅迫も受けた…」守護神カリウス、2年前のCL決勝後の悪夢を激白! SNSでの“匿名攻撃”に怒り

2020年04月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「すべて読んでしまったら、2日間眠れなくなる」

24歳で出場したCL決勝でミスを犯したカリウスは、その後、壮絶な非難を浴びせられた。 (C) Getty Images

「振り返ってみれば、もっと積極的に公に出して対応すべきだった」

 過去に自身が犯した"凡ミス"が原因で、壮絶なバッシングを浴びた元ドイツ代表GKロリス・カリウスは、SNSで浴びた非難に対して、そう語った。

「何をやってもダメなGK」――。カリウスが、その"汚名"を背負うことになったのは、今から2年前のこと。レアル・マドリーとのチャンピオンズ・リーグ決勝で犯した2つのミスが原因だった。

 スコアレスで迎えた後半開始早々に眼前にいたカリム・ベンゼマへの"アシスト・スロー"をすれば、ガレス・ベイルのミドルシュートを後逸。2つの失点に直結するミスを犯し、これが響いてチームは1-3の敗戦を喫した。

 試合後に相手DFセルヒオ・ラモスとの接触で自身が脳震盪となっていたことを涙ながらに釈明したものの、結果としてレッズ(リバプールの愛称)にとって14年ぶりの欧州制覇を逃す戦犯となってしまったカリウス。定位置を失い、その夏にベジクタシュへレンタル移籍をした後も、この決勝でのミスを問われ続けている。

 そんな守護神が、いまだ鳴り止まない非難に対する心境を告白した。
 
 ドイツ紙『Bild』のインタビューに応じた26歳のドイツ人GKは、SNSで匿名のユーザーから寄せられる過剰な攻撃に対しての想いを吐露した。

「ブーイングをするファンを責めることはできない。彼らはお金を払って試合を見に来ているから怒る権利がある。だけど、それが個人的な侮辱や死の脅迫になれば、明らかに境界線を越えたものになる。そういうのは、大半がSNSによるものだ」

 SNSを通じて自身に対する殺害予告や家族を蔑視するコメントを受けていたことを明かしたカリウスは、さらに悲痛な想いを口にした。

「時々、死の脅迫を受けたよ。でも、まともに受け止められなかった。それをするのが、匿名で、顔も出していない人たちからのものだったからね。選手はいつだってインターネットで敵意あるメッセージを受け取る。それをすべて読んでしまったら、2日間眠れなくなるよ。

 人々は匿名性を笠に着て、他人をひどく侮辱し、差別的になる。人種差別的にね。でも、彼らは街で会えば、一切口もきけないだろうね。あのネット上の人間たちの反応は、明らかに不当で、無礼。全くもって異常だった。たった24歳でチャンピオンズ・リーグの決勝でプレーしていたのに、そこに辿り着くまでのプロセスとファインセーブが一瞬にして忘れ去られたよ」

 さらにS・ラモスとの接触による脳震盪について、「言い訳として使ったことはない」としながらも、「空間視力が落ちていた。頭を負傷した人間をからかうのは理解できない。僕のミスは公平に評価されていなかった」ともコメントした。

 現在もリバプールとの契約を残しているカリウスは、「クロップとも連絡を取り合っているし、チームメイトとも話すことがある。彼らが僕を置き去りにしたことなんてないよ」と話す。26歳のドイツ人GKはこの先、いかなるキャリアを歩むのだろうか――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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