「一緒に寝ているかのようだった…」プレミアで異彩を放った名手が語った元Jリーガーの“魔術師”とは?

2020年04月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「素晴らしいパートナーだった」

レバークーゼンで一時代を築いたベルバトフ(左端)が振り返ったのは、かつてJリーグで活躍した助っ人FWフランサ(中央)だ(右端は浦和で活躍したポンテ)。 (C) Getty Images

 サッカー史には語り継げないほど多くの"名コンビ"が存在する。

 例えば、ナポリ黄金期のディエゴ・マラドーナとカレカの南米デュオや「ROROコンビ」の異名で恐れられたロナウドとロマーリオのセレソン2トップ、さらに渋いところでいえば、2000年代序盤のレアル・ソシエダで旋風を巻き起こしたニハト・カフベジとダルコ・コバチェビッチの凸凹コンビなどが思い出される。サッカー史を彩った名コンビたちを挙げれば、枚挙に暇がない。

 ディミタール・ベルバトフ。かつてプレミアリーグの強豪トッテナム・ホットスパーやマンチェスター・ユナイテッドなどで一世を風靡した元ブルガリア代表FWにも良きパートナーがいる。英紙『Daily Mail』で、名手はこう答えている。

「フランサという男は素晴らしいパートナーだった」

 フランサは、2002年の夏にサンパウロからレバークーゼンに加入して活躍。その後、2005年から5年間に渡って柏レイソル、2011年に横浜FCに在籍し、その卓越したスキルと創造性溢れたプレーからJリーグのサポーターから「魔術師」の異名で愛されたブラジリアンだ。
 

 プレミアリーグでは、ロビー・キーンやウェイン・ルーニー、カルロス・テベスと言ったワールドクラスの選手たちと2トップを組んだ経験を持つベルバトフだが、2002年から3シーズンを共にしたフランサが忘れられないという。

「俺たちは互いを補完しあっていた。たとえピッチ外であまり話すことがなくても、だ。2人でとても多くのゴールを決めたよ。2004-05シーズンには、あのバイエルンを4-1で破ったんだ。

 ピッチに足を踏み入れた時には、俺たちはまるで一緒に寝ているようだった。彼とのプレーを楽しんでいたし、何より彼は信じられないほどに利他的だった。俺が良いポジションにいると、決まって最高のボールをくれた。そして彼にボールを預けると、必ずゴールを決めてくれたんだ」

 二人の連係が深まった2003-04シーズンには、ベルバトフが公式戦36試合16ゴール・9アシスト、フランサが公式戦35試合14ゴール・13アシストと圧倒的な成績を残し、敵の脅威となった。

 ベルバトフはこう続けている。

「まるでアンディ・コールとドワイト・ヨークのようだった。彼と一緒にプレーしたことは、俺の成長を支えてくれた。自分のレベルやより良いレベルにいる選手とともにプレーすると、常に何かを学ぶことができる」

 日本のサッカーフリークたちにとっても印象づいている"魔術師"は、世界的な名手ですらも虜にしてしまったようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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