「選手を悪者に」「狂気の沙汰だ」セリエA各クラブが合意した“最大3分の1”のサラリーカット案に選手協会が猛反発!

2020年04月07日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ユベントスのみが給与削減で合意

AICのトンマージ会長。現役時代はローマなどで活躍した。(C) Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大でシーズンが中断され、先行き不透明ななか、各国リーグではサラリーカットを巡る話し合いが続いている。

 欧州で最初に感染が広まったイタリアでは、ユベントスが選手と一部カットで合意した。だが、その他のクラブは合意に至っておらず、リーグと各クラブが協議を続けてきた。

『Gazzetta dello Sport』紙によると、リーグは4月6日の会議で、シーズン完遂なら6分の1、中止なら3分の1のサラリーカットを満場一致で承認した。ただ、各クラブが選手たちと合意しなければならない。

 イタリア・サッカー選手協会(AIC)は「恥ずべきで受け入れられない」と反発。同協会のウンベルト・カルカーニョ副会長は「コロナ危機により損失が出た際に、選手たちだけに支払わせたいという指標であることは明白だ」と非難した。

「リーグの声明で重要なのは、各チームが選手たちと契約の修正に関して交渉しなければならないと記されたことだけだ」
 
 また、ダミアーノ・トンマージ会長は「実際には選手たちとの1対1で各クラブが良識に基づいて合意しようと試みている時に、給料を払わないと言うためにセリエAの各クラブがリーグ会議で集まらなければならなかったのには、がっかりだ」と話している。

「どんな企業論理に基づいてこのような振る舞いになるのか理解できない。いかにこの危機から団結して抜け出すか、ほぼ全員がそれぞれのクラブとすでに話し合っているのに、ショーのメインの主役である選手たちを悪者のようにしている。狂気の沙汰だと思うね」

 AICは「もうだれにも支払わないと決めるために、リーグ決議を求めなければならないと考えるなど、言葉もない」と批判を続けた。

「3月9日までチームをピッチに立たせ、3月半ばまで練習させ、今もテクニカルスタッフの指示で個々のメニューをチェック・コントロールしている会長たちが、支払いの停止を望んでいる」

 シーズン中断による収入減で、各クラブが厳しいやり繰りを迫られるなか、サラリーカットはデリケートな問題だ。ユベントスのように、双方が納得するかたちで着地点を見つけられるのが最善だが……。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

次ページ【動画】ボローニャで活躍する冨安健洋の好プレー集

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事