ボヌッチの電撃移籍&復帰も仕切る! イタリアで勢力拡大中のルッチ代理人の特色は?

2020年04月10日 片野道郎

顧客だけでなくクラブの利害にも敏感

ボヌッチ(中央)のユーベ&ミラン往復移籍を仕切ったルッチ代理人(左)。写真:Instagram

 今、イタリアで最も勢力を広げているエージェントが、アレッサンドロ・ルッチだ。
 
 レオナルド・ボヌッチをはじめファン・ギジェルモ・クアドラード、アレッサンドロ・フロレンツィ、ホアキン・コレア、マティアス・ベシーノ、ルイス・ムリエルなどセリエAのトップクラスを顧客として抱えている。
 
 その最高クライアントであるボヌッチのミラン移籍(17年夏)とユーベ復帰(18年夏)でメルカートの主役となったが、後者の際にはゴンサロ・イグアイン&マッティア・カルダーラのトレードを絡ませて交渉をまとめた手腕が示すように、顧客だけでなくクラブの利害にも敏感。それゆえユーベやミランを筆頭にラツィオ、フィオレンティーナなどからも信頼を集めている。
 
 ボヌッチと同じように、フィオレンティーナとラツィオの間を1年で往復したミラン・バデリのケースも、顧客とクラブの折り合いを上手くまとめた一例だ。
 
 顧客のほとんどはセリエAプレーヤーだが、コレアのセビージャ移籍やフロレンツィのバレンシア移籍、ダビデ・ザッパコスタのチェルシー移籍などを見てもわかるように、スペインやイングランドにもネットワークを拡大中だ。
 
 ローマに本拠を置くそのエージェンシー『WSA』には、元ミランのセルジーニョが南米担当者として名を連ねており、クアドラードやムリエル、コレア、ベシーノといった南米出身選手をサポートしている。
 
●主な顧客(仲介を含む)
レオナルド・ボヌッチ(ユベントス)、
ファン・ギジェルモ・クアドラード(ユベントス)
アレッサンドロ・フロレンツィ(バレンシア)
ホアキン・コレア(ラツィオ)
ダビデ・カラブリア(ミラン)
ルイス・ムリエル(アタランタ)
ダビデ・ザッパコスタ(ローマ)
マティアス・ベシーノ(インテル)
ミラン・バデリ(フィオレンティーナ)
 
文:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年3月19日号より転載
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