「酷かった」「挨拶をしたくない人も…」トッティが3年前の引退試合を回顧!デル・ピエロとの“不仲説”についても明らかに

2020年04月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「UAEから連絡があったし、サンプドリアは熱望してくれた」

17年にユニホームを脱いだトッティ。ローマのフロントを経て、現在はスカウティングの会社を立ち上げている。(C) Getty Images

 フランチェスコ・トッティとアレッサンドロ・デル・ピエロ。イタリアを代表する稀代のファンタジスタたちは現役時代、たびたび不仲が騒がれた。

 だが、トッティはイタリア衛星放送『Sky Sport』で「我々は特徴が非常に似ていたから、一層団結できたんだ。特に困難な場面において、本当にお互いのことを理解していた」と明かしている。

「どちらかがプレーしたら、もう片方が支えていた。監督は決断しなければいけなかったから、我々はそれを尊重しなければならなかったんだ。本当に素晴らしい関係なんだよ。それはだれにも奪うことができない」

 後輩のダニエレ・デ・ロッシは、ローマひと筋だったトッティと異なり、現役最後の舞台にボカ・ジュニアーズを選んだ。トッティは「尊重する。それぞれ自由に人生の選択をするものだ。正直、自分にも国内外の別のクラブに行く機会はあったからね」と述べた。

「例えばUAEから連絡があったし、サンプドリアは熱望してくれた。(会長のマッシモ・)フェレーロがローマ人でロマニスタだから、わたしのことが大好きなのさ。まだ何かできると感じていたから、現役を続けたかった。でも、ローマのユニホームだけというつもりだったんだ」
 
 そして、トッティは2017年にスパイクを脱いだ。ラストゲームとその後の感動的なセレモニーを「今でもその時の涙を覚えている。3年が経つけど、そうとは思えない。あの忘れられない日のことは何度か見直すけど、すべての瞬間を覚えているよ」と振り返った。

「その日が決して来ないことを願っていたけど、すべてにおいて始まりと終わりがあるものだ。挨拶もしたくない人たちだっていた。でも、あの日は真剣で筋の通った人間であるべきだとすべてを脇に置いたんだ。美しく、"酷い"一日だった。引退だから酷かったんだけど、愛情を受け取ることができたのは素晴らしかった。みんなが泣いてくれるまでになるとは思いもしなかった」

 引退後、一時はローマの幹部を務めたトッティだが、現在は退団してスカウティングの会社を立ち上げている。未来のフランチェスコ・トッティは、まだ見つかっていない。だが、その日を求めている。

「新たなトッティを見つけたい。世界中で探すよ。見つかるといいね。最高のかたちで育てたい。わたしは一度始めると目標達成を目指すんだ」

 ただ、古巣ローマへの愛情が変わることはない。パウロ・フォンセカ現監督を「とても素晴らしい指揮官」と称賛し、ローマの栄光をつねに願っていると締めくくった。

「団結し、監督が望む補強を正確に実現すれば、"我々"は次のリーグ戦を素晴らしいものとできるはずだ。『我々』?わたしはいつだってローマの人間だからね。トリゴリアを離れても、わたしの心はつねにそこにあるんだ」

 新型コロナウイルスの感染拡大で、トッティの新規事業もローマの戦いも中断を余儀なくされた。だが、人々が再び普段の生活を取り戻してから、トッティとローマがどんな道を歩むのか注目だ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
 

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