「全員が半年も無給で暮らせるわけじゃない…」テベスの“男気発言”にアルゼンチン3部の選手が異議!

2020年04月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

支援を呼びかけたテベスへの反論

テベスの提言は国内の全選手から支持されているわけではないようだ。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大し、日々深刻な状況となっている。サッカー界も各国で公式戦が中断を余儀なくされ、小さくないダメージを負っている。

 そんな窮状のなかで、ボカ・ジュニオルスに所属する元アルゼンチン代表FWのカルロス・テベスは、サッカー選手たちによる支援を訴えかけた。

「俺たちのようなサッカー選手は、たとえ無給となったとしても半年、あるいは1年は生活することができると思う。それに毎日、子どもたちを何とか養うために気を病む必要もない。

 だけど、世の中には家族を何とか養うために毎朝6時に起きて、夜遅くまで働いている父親がたくさんいるんだ。俺たちはそういった人たちとは違う生活を送っているが、できることがある。サッカー選手は違いを生むことができる」

 さらにテベスは、「何とかお金を稼ぐために外出せざるを得ず、逮捕(外出禁止令違反)されたりしている一部の人たちのことが心配だ」と、外出禁止令などによって失業を余儀なくされるなど、厳しい生活を強いられている人々への社会貢献を呼び掛けたのだ。

 だが、このスターの呼びかけに反論の声が上がった。訴えたのは、現在アルゼンチン3部のロス・アンデスに所属するルイス・サルメロンである。
 
 現在38歳のストライカーは、自身のツイッターで、テベスに対しての想いを綴った。

「私は常に言っている。人々が旗を掲げるとき、そうすることを実現できるのは、ほんの一握りだ。ほとんどがソーシャルネットの天才になるんだ。そして、全ての選手が6か月も給料なしで暮らせるわけじゃない」

 かつて、1部リーグでもプレーした経験もあるサルメロンは、さらにこう続けた。

「テベスのような警告ができる選手は、毎日のように給料を稼いでいる。だが、我々も2か月は無報酬だ。それこそ彼らが懸念している生きることが難しくなっている通常の労働者と同じ懸念を抱いている」

 サッカー界で支援の輪が広がりつつあり、それに対する積極的参加を呼び掛けたテベス。そんなスターに、サルメロンのような下部リーグでプレーする同業者からの痛切な声は、どう響くだろうか――。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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