「かなり驚いた…」元イタリア代表監督リッピが2006年のW杯決勝を回想! 愛弟子の“頭突き事件”も語る

2020年04月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

PK戦のラストキッカーにグロッソを選んだ理由は?

マテラッツィに対するジダンの頭突きは、当時、世界のサッカー・ファンを驚かせた。 (C) Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大で人々が自宅待機を迫られている今、サッカー界では様々な人が、過去の秘話を明かすことが少なくない。元イタリア代表監督のマルチェッロ・リッピもそのひとりだ。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、リッピは、『RadioUno』のインタビューで、家での隔離中にイタリアが優勝した2006年ワールドカップ(W杯)の全試合を見直したと明かした。

「ベルリンでのファイナルは何度見たか? 何度も見直しているよ。まだ20回は見るだろうね。必ず我々にとって良い終わりとなるのだから」

 フランスとのファイナルで話題となったのは、現役ラストゲームだったジネディーヌ・ジダンが延長戦でマルコ・マテラッツィに頭突きし、退場となった一件だ。

 この"事件"とも言えるシーンについて、ユベントスでジダンを指導したこともあるリッピは「かなり驚いた」と振り返った。

「私はユベントスでジネディーヌを指揮した。シンプルで、謙虚で、インテリジェントな、素晴らしい人なんだよ」

 ジダンのPKで先制されたものの、マテラッツィのゴールで追いついたイタリアは、PK戦を制して24年ぶりの栄冠を手にした。優勝を決める最後のキッカーとなったのは、大会前まで決して知名度が高くなかったファビオ・グロッソだ。

 グロッソを5人目のキッカーに選んだ理由について、リッピは、「うまい選手たちがすでにそれまでの順番に決まっていたからなのと、オーストラリア戦で終了間際にグロッソがPKを獲得したことや、ドイツとの準決勝で延長戦後半終了間際に彼がゴールを決めたことを思ったからだ」と明かした。

「だから彼に『お前が5人目だ。土壇場に強いからな』と言った。彼は『いやいや、なんでオレ?』と言っていたよ」

 結局、選択は吉と出た。グロッソがネットを揺らし、チームが喜びを爆発させたシーンは、イタリアの多くの人を感動させた。危機にある今、リッピと同様に当時の映像を見直しているイタリア人も少なくないかもしれない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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