「空のスタジアムでリーグ優勝が決まったとしたら…」リバプールのファン・ダイク、英紙に複雑な思いを告白

2020年03月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「サポーターのいない場所でプレーしたい選手はいない」

リーグを独走しているリバプールだが…。ファン・ダイクの胸中も複雑なようだ。(C) Getty Images

 イングランドのプレミアリーグは、4月3日まで全試合の中断が決定している。しかし、英国では現在、日ごとに感染者が急増しており、15日付けの英国保健省の報告では感染者1372人、死者は35人にのぼった。

 英紙『The Guardian』は、「シーズンは4月4日に再開予定だが、そのような早期再開はまずないだろうと考えられている」と報じている。

「英国政府は今週末にでもスポーツイベントを含む大規模な集会の禁止を発表する。プレミアリーグは木曜日に会合を開いて、次の段階、今季のリーグ戦についてどうすべきかということを話し合う予定にしている」

 シーズンそのものを無効とすべきか、現時点での順位で今季を終えるべきなのか。運営側は難しい判断を迫られることになる。

 既知の通り、今季のプレミアリーグでは、リバプールが首位を独走中だ。2位のマンチェスター・シティとは25ポイント差がついており、サポーターは戴冠を疑っていない。

 そのリバプールでプレーするオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクは、同紙の取材に対して、ある懸念を明かした。

「このまま無観客試合でシーズンを終えるのか、今のリーグの成績が認められるかは分からないけれど、もし優勝が決まった瞬間をファンのいない空のスタジアムで迎えるとしたら、僕らは彼らを失望させることになる」

 今季タイトルを獲得すれば、ファンにとっては約30年ぶりとなる。アンフィールドに集うサポーターたちが作り上げる雰囲気は唯一無二のものであり、チームにとっては欠かせない"一員"でもある。

「アンフィールドにサポーターがいないことは、僕らにとってダメージだ。観客なしで試合をプレーしたい選手はいない。リーグの判断が下される前に、こうしたことをきちんと考えて、処理されなければならないと思う。ただ、もし(無観客に)なった場合も、そうでなくても、僕らはタイトルをファンに届けるために努力し続けるよ」

 こうした難しい決断を迫られているのはイングランドだけではない。最も感染状況が深刻なイタリア・セリエAは5月初旬までの中断も検討しているといわれる。果たして、欧州フットボール界はどのような決断を下すのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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