「リネカーの番組までも…」イングランド・サッカー界の新型コロナウイルスの影響を英国人記者がリポート【現地発】

2020年03月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

サッカーのあった日常が一変

人々が熱狂していたサッカーが失われたイングランドの現状とは? (C) Getty Images

 3月13日(現地時間)、新型コロナウイルスの影響で、4月3日までのプレミアリーグの延期が決まった。その翌日の目覚めはとても奇妙なものだった。

 普段、土曜の朝に私がしていることは、最新のサッカーのニュースをチェック(もちろん日本のサッカーニュースも見ている)し、知り合いのジャーナリストや地元紙の記者たちから何か目新しい情報はないかと意見交換することなのだが、14日に関しては両方ともに何もなかった。

 そして、私はテレビの番組表を見ようと電源を入れた。これも普段の習慣だ。しかし、いつものようにスポーツチャンネルを確認すると、そこにはプレミアリーグの中断の知らせが映っていた。そして、過去の名勝負や名シーズンを振り返る番組が淡々とリプレイ放送がされていた。

 さらに、あのガリー・リネカーが司会を務める英公共放送『BBC』の名物番組「Match Of The Day」ですら、「Mrs Brown's Boys」というコメディー番組に変更になっていた。

 そう、イングランド・サッカー界は一日にして、普段と大きく様変わりしてしまったのである。
 新型コロナウイルスの猛威によって、英国でサッカーを愛する我々が気付かされたのは、自分にとってサッカーがどれだけの割合を占めていて、生活の一部となっていたのかということだ。

 先週まで、私の予定帳は、プレミアリーグ、チャンピオンシップ(英2部)、そしてチャンピオンズ・リーグ(CL)やヨーロッパリーグと、毎日のように試合のスケジュールが詰まっていた。

 それ以外にもチェルシーやアーセナルでの記者会見の予定がフィックスされていたが、その充実した日々が一変したのだ。それに気付いた時、私は自分の人生がどれだけサッカーで占められていたかを思い知り、笑っていた。

 しかし、私は、めげずに国内でリーグ戦をやっている場所がないかを模索した。ロシアとトルコを除き、ヨーロッパの主要リーグが延期を決定しているなかで、だ。

 そして、自宅から約5マイル離れたブロムリーで、ナショナルリーグ(実質英5部)が開催されることを知った。プレミアリーグでもCLでもないが、サッカーに変わりはない。私は早速準備をはじめ、出かけようとしたが、ほどなくして残念な知らせを受ける。アウェーチームのチョーリーFCに感染者が出たため、試合が延期となったのだ……。

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