「めちゃくちゃにされた…」バルサに主力を“強奪”されて降格危機。元日本代表監督アギーレもボヤき

2020年02月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

ルール上はバルサに問題ないものの…

レガネスを率いるアギーレは、思わぬ主力の引き抜きにガクッと肩を落とした。 (C) Getty Images、Rafa HUERTA

 シーズン途中にまさかの"エース強奪"に遭い、レガネスの怒りは収まらない。

 現地時間2月20日、バルセロナはレガネスに解約解除金1800万ユーロ(約22億5000万円)を支払い、デンマーク代表FWのマーティン・ブライトワイトを獲得したことを発表した。

 欧州における移籍マーケットは、通常、夏(6~8月)と冬(1月)の2回に定められているが、バルサはラ・リーガの"特別な規定"を活かしてブライトワイトを引き抜いた。

 その特別規定とは、5か月以上離脱する選手が出た場合、移籍市場期間外でも、特例として同じポジションの選手をスペイン国内から獲得できるというものと、全選手に「契約解除金」が設定されなければいけない(他国にもあるルールだが、義務ではない)という二つだ。

 フランス代表FWのウスマンヌ・デンベレが右大腿二頭筋断裂の手術を受けて全治が6か月と判明したバルサは、前述の2つの規定を使ってブライトワイトを手中に収めたのだ。すべて現行のルールの範囲内である。

 とはいえ、シーズンの佳境に突入しようかという時期に主力を奪われ、レガネスにとっては、やりきれない。20日に行なわれた会見で、指揮官のハビエル・アギーレは、「彼らには、本当にめちゃめちゃにされてしまったよ……」と嘆いている。

「このタイミングで主力を失うなんて想像できなかった。しかし、陽はまた昇り、FIFAはファンタスティックな11人で戦わせてくれるだろう。私は自分が抱えている選手達に満足しているし、彼らは素晴らしいプレーヤーであり、周りが我々を見下すのは無礼だ」

 かつて日本代表を指揮した61歳のメキシコ人監督のぼやきは止まらない。

「たった1日で選手を失うことなんて今までになかった。正直言って、何と言ったらいいのか分からない。私はシルクハットのウサギを使い果たした(手は出し尽くしたという意味)。ブライトホワイトがバルサにどう貢献できるか? そんなこと知らないよ。なんで契約したかは彼らに聞いてくれ」

 アギーレの"ぼやき会見"から3日後に開催されたラ・リーガ第25節で、残留を争う17位のセルタに0-1と敗れ、降格圏の19位から浮上するキッカケを掴めなかったレガネス。主力をバルサに強奪された彼らは、文字通りの危機的状況に陥っている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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