【横浜】「信頼しているんでね」扇原&喜田の最強タッグが今季もかけがえのない拠り所に

2020年02月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

丁寧にパスを出し、しっかりと止めて、相手に返す

ボランチでコンビを組む喜田(左)と扇原(右)。自慢の『アタッキング・フットボール』を攻守両面で支えるキーパーソンだ。(C)SOCCER DIGEST

 ふと、思う。これまで、いったい彼らは何本のパスを交換し合ってきたのだろうか。

 2月某日の練習のあるメニューで、扇原貴宏と喜田拓也は2メートルほどの距離でお互いに向き合って、パスを受ける前に首を振る動作などを織り交ぜながら、シンプルな〝止めて・蹴る〞を反復していた。

 試合前のウォーミングアップでもよく見られる光景だ。ダブルボランチで先発するふたりは、本番をイメージして、その日のボールフィーリングやピッチの感触を確かめるように、丁寧にパスを出し、しっかりと止めて、相手に返す。それを実直に繰り返す。

 実際の試合でも、日々の練習でも、そうやって連係を深めてきたのだろう。「信頼しているんでね」と扇原は言う。もちろん、中盤の底でコンビを組む喜田のことを、だ。

 リーグ優勝を決めたFC東京との昨季最終戦、その試合は累積警告で出場停止だった扇原は試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、ピッチに走り出す。真っ先に喜田のもとへと駆け寄って、歓喜を分かち合った。

 ふたりの強い絆、仲の良さが垣間見えたワンシーンは、また別の練習日にもあった。トレーニング後の喜田に話を聞いていると、すぐ側にあるピッチを囲う金網に「ガシャン!」とボールが当たる大きな音が響く。驚いて振り返ると、ニヤリと笑う扇原の姿あった。
 
 昨季のキャプテンは扇原、喜田、そして天野純の3人体制だった。夏に天野が海外移籍を果たした後は、扇原と喜田が腕章を巻いたが、その立場に沿った質問を喜田に投げかければ、必ずといっていいほど「タカ君と――」のフレーズが出てくる。この強力なタッグが、チームをひとつにまとめ、15年ぶりのリーグ制覇に導いたと推測する。

 その存在は代えがたいものであるはずだ。現状に甘んじず、常に向上しようとする姿勢が、チームをさらなる高みへと引き上げる原動力となる。それは、4-0の完勝を収めたACL2節のシドニーFC戦の試合後のコメントからも見て取れる。

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