「見るのも耐えがたい!」CL制覇を目標に掲げるパリSGが、ドルトムントに衝撃の敗北。パリに吹き荒れる憤怒の嵐【現地発】

2020年02月19日 結城麻里

試合終了直後に始まった討論番組で、激怒が相次いだ

エムバペ(左)のアシストから、辛くもアウェーゴールを奪取したネイマール(右)だったが…。 (C) Getty Images

 パリ・サンジェルマン(パリSG)が、チャンピオンズ・リーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦第1レグで、ドルトムントに1-2で敗北。直後のフランスでは、激怒の嵐が吹き荒れた。

 試合終了と同時に始まった『LA CHAINE L’EQUIPE』の人気討論番組『L’EQUIPE DU SOIR』では、アニメーター(司会)のオリヴィエ・メナール氏が、「パリは仕事をしていたのかね」と眉をひそめながら、厳しいお題を次々に提起。真っ先に出されたのは、「今夜のパリは我々を馬鹿にしたのか?」だった。

 憤怒の口火を切ったのは、美貌のテレビジャーナリスト、カリーヌ・ガリ女史。「耐えられない試合だったわ! 4-4-2をずっとやっていた突然システムを変え、後半に何か変えなければならないときは何も変えなかった! 信じられない!」と叫んだ。

 続く「この敗北の一番の責任者は(トーマス・)トゥヘル監督か?」のお題でも、元フランス代表オリヴィエ・ルイエが、「土壇場でシステムを変えたということは、信じていなかったということだ! それがそもそも最悪。だいたい選手たちにはやる気も見えず、ネイマールのあのプレー態度ときたら、もう見るのも耐えがたい!」と憤懣をぶちまけた。

 その直後にトーマス・トゥヘル監督の記者会見が始まり、「なぜ突然3-4-3にしたのか」という記者からの質問に、監督はこう答えている。

「怪我人もいて、4-4-2でやれる状況ではなかった。このシステムはディジョン戦でも使ったことがある。4-4-2でやったとしても、勝てたかどうかなんて誰にもわからない」

 これを聞いたルイエは、「ディジョン戦から準備していただって!? 馬鹿にしている!」と絶叫。ガリ女史も「詐欺じゃないの!」と悲鳴をあげた。ただルイエは、「このシステム選択で選手たちがやる気を失くし、監督に反抗した可能性もあるぞ。選手たちがやりたかったのは4-4-2だったんだから」とも持論を展開した。

 さらに、「チアゴ・シウバの"終焉"に立ち会ったと思うか?」のお題には、全員が「ウィ」で一致。「ズルズル下がって、皆より5~6メートルも下にいた」(元フランス代表ジョアン・ミクー)という指摘も出され、何度も失点シーンが解析されることになった。
 
 そして、衝撃の映像も流された。
 
 トゥヘル監督が記者会見をしている最中、レオナルドSDがさっさとミックスゾーンを素通りし、監督をスタジアムに置き去りにしたまま、ひとりでバスに乗り込んだのだ。
 

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