「まるでプレミアリーグみたい」京都新スタ、こけら落としで聞かれた称賛と“嬉しい悩み”

2020年02月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ファンタスティック、ビューティフル、アメイジング」と絶賛したのは…

JR亀岡駅の近くに新設された新しい専用スタジアム、サンガスタジアム by KYOCERAで、2月9日にこけら落としのプレシーズンマッチが開催された。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2月8日、サンガスタジアム by KYOCERAのこけら落としとなる、京都サンガF.C.とセレッソ大阪のプレシーズンマッチが行なわれた。京都のサッカー関係者や、京都サンガのファン・サポーターたちが切望していた新スタジアムの初戦は、前売りチケットが完売。当日は朝から雪が降るなどあいにくの天候だったが、約1万8千人の観客がJR亀岡駅の目の前にある球技専用スタジアムを訪れた。

 そこには夢のような空間があった。客席から眺めるピッチは目と鼻の先。全席が屋根で覆われたことで、雨天時にも一定の観戦環境が保たれることはもちろん、サポーターの声援の反響は高揚感あふれる雰囲気を作り出すことにも、ひと役買っている。青々と茂る天然芝の上では選手たちが溌溂とプレーし、ピッチ状態がプレーに悪影響を及ぼしていた西京極とは見違えるようだった。サンガスタジアムでは霧が発生しやすい亀岡市の気候を考慮して、セレブレーションという日陰に強い品種が使われている。国内では、日産スタジアムに次いで2例目の採用だ。

 また、試合前には京都府出身のロックバンド"夜の本気ダンス"がライブパフォーマンスを行なった。楽曲の中に京都パープルサンガ時代にサポーターが歌っていた応援歌を取り入れたり、ドラムの鈴鹿秋斗が「行くぞJ1!」とサポーターに呼びかけるなど、会場を盛り上げている。

 試合は前半から両チームがネットを揺らすなど、合計5ゴールが生まれる盛り上がりを見せた。新スタジアムを体感した監督や選手からは、賞賛の声が相次いでいる。記者会見では経験豊富なスペイン出身のロティーナ監督が「サッカーをプレーするためのスタジアムで、観客席もピッチにとても近い。2万人という収容人数(最大収容人数は2万1600人)も、ちょうどいい。このスタジアムと京都サンガの幸運を祈っている」と話し、前線で存在感を見せ付けたピーター・ウタカは「ファンタスティック、ビューティフル、アメイジング」と絶賛。今季から主将を務める安藤淳も「これまでいろんなチームのサッカー専用スタジアムでプレーしたけれど、最初にピッチに入った時の応援にはすごく興奮した。こんな雰囲気でホームゲームを戦えれば、間違いなく力になる」とプロ生活14年目を迎える自身のキャリアの中でも、最大級の印象を受けたようだ。
 

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