【セルジオ越後】負けても期待を抱かせたのはマリノス!ただ9人連続PK失敗はお粗末すぎる…

2020年02月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

王者らしくないプレーも少なくはなかったけど…

PK戦決着か、と思われたものの再び失敗……。そんな場面が幾度か繰り返された。(C) SOCCER DIGEST

 Jリーグのシーズン開幕を告げる恒例のゼロックス・スーパーカップは、ヴィッセルがPK戦を制して今季最初のタイトルを獲得したね。ヴィッセルは元日の天皇杯に続き、クラブ2つ目のタイトル獲得となった。

 ただ、結果とは裏腹に今シーズンに向けて期待を抱かせるような内容を見せたのは、マリノスの方だったと思うよ。3対3というスコアだったけど、ともに持ち味の攻撃面が充実していたのは明らかにリーグ王者のマリノスで、それは19対8というシュート数にも表われている。

 勝負を分けたのはチャンスを決め切れたかどうか、といういつもの課題だよ。あれだけチャンスを作ったのに、あれだけ外しまくったら勝てる試合も勝てないだろう。おまけに失点シーンを見ても、自分たちのミスから2つ取られている。ちょっと王者らしくないプレーも少なくはなかったけど、昨季同様に攻撃の迫力はあったし、新シーズンへ向けて期待を持てる内容だったんじゃないかな。

 一方で神戸は国内屈指のタレントを揃えている割には攻撃のバリエーションが少ない。この試合でもイニエスタは別格のプレーを再三見せて先制点をアシストしたり、前半から後半の半ばにかけては良い流れを作ったりする時間帯もあった。だが、そのイニエスタが後半になって失速すると、チームもトーンダウンした。天皇杯決勝でも同じような傾向があったけど、改善されていないようだ。

 古橋やドウグラスが活きるのも結局、イニエスタからのパスが起点になっていたし、彼を厳しいマークで潰されたら神戸は厳しいよ。まあ、それでもイニエスタを"完全に"抑えるのは難しいけれどね。

 この両チームはACLもあるけど、両チームともに安易なミスはもう少し減らしたい。ただ、やはり全体的にマリノスの方が90分トータルでしっかり戦えていたし、シーズンがもう少し深まり選手のコンディションもフィットして決定力が上がれば面白い。一方のヴィッセルは、攻撃面はさておき、ディフェンスが心配だ。横浜戦でも酒井は何度も背後を取られていたし、助っ人たちもちょっと身体が重い気がする。

 3-3という点の取り合いだったけど、お互いに良い所も悪い所も出た試合だったと思う。来週のACL開幕戦ではどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだね。
 

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