川崎、新システム4-3-3で9発の大勝を飾るも…大島僚太がこぼした懸念材料とは?

2020年02月04日 江藤高志

東京V戦では右サイドバック山根の攻撃参加と中盤3枚の連動が機能

トレーニングマッチでは大勝続きの川崎。順調な仕上がりに見えるが、大島(左)が懸念するポイントとは?写真:江藤高志

 川崎フロンターレが2月3日に東京Vと練習試合を実施し、トータルスコア9-1で大勝した。川崎は同2日から沖縄・中城村で二次合宿を開始している。

 試合形式は45分を3本で、それぞれ2-0、3-0、4-1のスコアだった。

 3本とも見応えのある内容だったが、特に記しておきたいのは1本目だ。このセットでは、4-3-3システムの右サイドバックに入った山根視来の積極的なオーバーラップと、それに呼応して連動する中盤3枚の流動性が楽しめる内容となった。

 山根はアンカーの脇のスペースを通り、ワイドに張り出した右ウイングの旗手怜央の内側にまで攻撃参加。攻撃に迫力と流動性をもたらした。この山根との連係について旗手は次のように振り返っている。

「山根くんとは結構話していて、チームとしてもニアスペースとかを使えるなら使っていこうという話をしています。そこを使えるなら簡単に使ってあげるということと、サイドバックが上がってきているので、そこを使える時は使ってあげないとキツいと思うので。そこはしっかり山根くんと話して共有できているので、いいかなと思います」

 サイドバックの山根については、プレースタイルとして最前線にまで顔を出すという認識ができているようで、山根が上がった時にどう周りが動くのかという共通理解は進んでいるようだ。その山根のクロスのこぼれ球を逆サイドの車屋紳太郎が拾うという場面も見られており、攻撃的な形で試合は進んでいた。

 山根の縦方向の推進力に加え、中盤の3枚のポジションチェンジによる流動性もこの試合では見どころとして楽しめたが、その一方で気になることがなかったわけではなかった。というのも大島僚太がこんな言葉を残しているのだ。

「どれくらいボールに関われるかなということは思っていましたが、システム上もそうですが、気を使っていると触りにくくなる部分はあります。かと言って触りに行くことが今のシステムで効率的かというと、そうでもなかったりもします」

 実際、大島自身が効果的にボールに触れていない印象は個人的に持っていたのだが、その点はこれからのチーム作りにおいて気になるところ。ちなみに大島はこの問題については次のようにも述べている。

「(ボールに)触れる時は触りたいという思いと、チームへの利益と、難しいバランスかなという想いはあります」

 キャンプで新システムを試している川崎は、この日のように大勝する試合を続けているが、まだ改善できるポイントは残っているようだ。

取材・文●江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)
 
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