鹿島、ザーゴ新監督が二人の高卒ルーキーを絶賛!ACL敗退ショックからチーム再建へ、PSM水戸戦で若手が躍動!!

2020年02月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「やりたいことが形になりつつある」と内田。指揮官は「満足いく内容」

輝きを放った二人の高卒ルーキー。ドリブル突破で魅せた松村(左)と決勝点を放った荒木(右)。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

これほど心が踊る茨城ダービーはあまり記憶にない。相手に情報を渡したくないとの理由からシーズン前にはJクラブとの試合を、ほとんど組んでこなかった鹿島。2005年から始まった水戸とのプレシーズンマッチも、Jリーグ開幕に向けた主力のコンディショニングの意味合いが強く、主力が退いた後に新加入選手を中心にテストがなされてきた。「点検」の視点を持つことはあっても、「新発見」を期待する割合はそれほど多くなかった。

 今季から指揮を執るザーゴ監督がその空気を破った。水戸戦の2日前、指揮官は首脳とのミーティングで「ACLは負けてしまったけど、信頼して任せてほしい。任せてもらえれば若手を成長させて、必ずタイトルを争えるチームにする」と訴えたという。そして提案したのがACLプレーオフ、メルボルン・ビクトリー戦から大幅に先発メンバーを変更すること。狙いを「全選手の状態、能力を把握したい」とした。「横一線」やら「白紙」と掲げても、打ち上げ花火で終わることが多いなか、新生・鹿島への強い決意を口にし、本気で実行しようとするのだから期待は高まろうというもの。

 1万人近い観衆が集まったケーズデンキスタジアム。ザーゴ色は、確実に濃くなっていた。センターバックがワイドに開き、ボランチが間に入って攻撃を組み立てていく。最前線の人数が増え、文字通りゴールへの道を開拓する。守備もアグレッシブに奪いに行く。特に前半は水戸にボールを奪われても、小さなミスを逃さない寄せでボールを回収して攻撃に移る。その繰り返しだった。後半には精度が失われたが、内田篤人が「やりたいことが形になりつつある」と振り返ったように、攻守に主導権を握る形が見えた。

「前半は完璧に近いゲームができた。フィジカルが良い状態だった時には、良いところが出せたと思う。後半に選手交代やコンディションの部分があって、今はトレーニングで負荷をかけている時期。足が止まって、ちぐはぐな部分はあったけど、トレーニングでやっていることが表現できたんじゃないか。僕としては非常に満足いく試合内容になったと感じている」(ザーゴ監督)
 

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