天皇杯制覇の神戸フィンク監督が吐露した苦渋の決断「すごく難しい選択だったのは…」

2020年01月01日 本田健介(サッカーダイジェスト)

強力助っ人がいるからこその悩み

クラブに初タイトルをもたらしたフィンク監督。天皇杯決勝でも的確にチームを導いた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[天皇杯決勝]神戸2-0鹿島/1月1日/国立

 建て替え工事が完了した"新国立"で行なわれた元日の天皇杯決勝は、神戸が鹿島を2-0で下し、初優勝を飾った。

 チームを初の栄冠に導いた神戸のトルステン・フィンク監督は、試合後に「難しい選択があった」と振り返る。

 神戸といえば、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャ、ルーカス・ポドルスキ、トーマス・フェルマーレン、セルジ・サンペール、ダンクレーら豪華な助っ人を揃えるが、ベンチ入りのメンバーを含めて誰を選ぶのか指揮官は最後まで頭を悩ませたという。

「今日すごく難しい選択をしなくてはいけなかったのは、セルジ・サンペール選手をメンバー外にすることでした。19人でこちらに来て、ダビド・ビジャ選手にするかサンペール選手にするか悩んでいましたが、ビジャ選手は決勝戦での経験がありますし、彼の決定力は必要になると考えました。ただサンペール選手に関しても今後のヴィッセル神戸に必要な選手です」
 葛藤の末に指揮官が選んだのはこの試合限りでの引退を表明しているビジャのベンチ入りと、イニエスタ、フェルマーレン、ダンクレーに加え、10番を背負うポドルスキの先発起用だった。

 すると18分にはポドルスキが左サイドを突破してオウンゴールを誘発させ、貴重な先制点を手にした。

 そして2-0で迎えた後半アディショナルタイムにはビジャをピッチに送り出し、大きな歓声のなかで優勝を決めてみせた。強力な助っ人陣を擁しているからこその贅沢な悩みではあるが、指揮官の選択が優勝の背景にあったとは言えるだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部) 
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