【セルジオ越後】9-0圧勝で勘違いするな!ジャマイカ戦はすぐにでも忘れた方がいい

2019年12月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

間違っても、このレベルの相手は五輪本番には来ない

U-22代表デビュー戦で初ゴールも決めた一美。だが果たして、ジャマイカは強化試合の相手として相応しかったのか?写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 年内最後の森保ジャパンの試合となったU-22の日本対ジャマイカ戦は、9対0という大差で日本が勝利を収めたね。吐く息も白く見えるほどの寒空の下で、見に来たお客さんにとっては、たくさんのゴールが生まれて、良い試合と言えたかもしれないね。

 ただ、五輪に向けた強化試合としてはあまりにも大味な内容で、まったく参考にならなかった。ジャマイカは北中米地区の1次予選で敗退してしまうほどの相手で、全くと言っていいほど歯応えがなかった。果たして、この試合で"強化"というテーマが成立するのかな。

 出場した選手には悪いけど、誰が出てもアピールできるような試合だった。はっきり言って、このジャマイカ戦がオリンピックを目標とした強化試合だったというなら、すぐにでも忘れてしまった方がいい。来年1月に開催されるU-23アジア選手権の方が、相手も出場権を懸けて本気で挑んで来るのだから、強化としての意味はあるだろう。

 日本としては、11月に完敗したコロンビアのような相手こそ、世界で戦う上での基準と考えるべきだ。ジャマイカのような相手に大勝してプラス思考になっても意味がない。協会も五輪に向けて、もっと意義のあるマッチメイクをしてほしい。メディアも日本が"圧勝"したと言って持ち上げるから、この試合を観ていた人たちを勘違いさせてしまう。間違っても、このレベルの相手は五輪には来ないでしょ。


 それから、試合後に森保監督も選手には「競争ばかりさせて申し訳ない」と言っていたけど、ジャマイカ戦では相手の質が低すぎて評価のしようがないから、競争にはならないよ。前述したU-23アジア選手権という真剣勝負の舞台でこそ選手の本当の実力が見極められるんじゃないかな。

 とはいえ、この大会も国際Aマッチデーの期間中ではないから欧州組の多くは招集できない。そこがネックなんだけど、そろそろサバイバルばかりじゃなく、五輪に向けてのチームも本格的に固めていかなければいけない時期だよ。大会のノルマはもちろん優勝。アジアで勝てなかったら金メダルなんて狙えないし、勝ち上がりながら力をつけて五輪へ向けたメンバーを固めていってほしいね。
 

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