【選手権・注目校レポート】分析アプリで対戦相手を丸裸に! 初の全国制覇を狙う矢板中央の強さに迫る

2019年12月27日 松尾祐希

一昨年はベスト4、昨年は8強に進出

堅守速攻が売りの矢板中央。初の全国制覇を狙う。(C)SOCCER DIGEST

 近年、安定した力で結果を残している。一昨年度は冬の選手権で8年ぶりに4強入り。昨年度はJリーグの下部組織などを抑え、プリンスリーグ関東を制すると、冬の檜舞台でもベスト8まで勝ち上がった。矢板中央はいまや強豪校のひとつに数えられる。

 継続して好成績を残せている理由のひとつが、徹底したデータ分析だ。Jクラブも使用している分析アプリを導入し、練習試合や公式戦が終わる度に映像を解析。ボール支配率や個々のタッチ数などのデータが算出され、チームの状況が可視化されるのだ。

 髙橋健二監督も手応えを口にする。

「数値化と映像化されるので、分かりやすい。ミーティングは全体の話になりますが、このアプリを使えば、データや映像を個々の端末でそれぞれ確認できる。試合前のロッカールームで、選手たちはよく携帯を見ていますね」

 選手権などの大きな大会では、アプリに対戦相手のデータを取り込んで分析を行なっている。

「相手のキーマンを確認できますし、どうすべきかが可視化されるので分かりやすい。個々のデータも出るので、自己分析もできる。それがプラスに繋がっていると思います」(久永武蔵/3年/FW)

「自分たちの数値もですが、敵の分析に使えるのがいいですね。コーチが対戦相手の試合を撮影してアプリに入れてくれるんです。その動画はチームで共有されるので、手分けして相手を分析しています。自分はセンターバックなので、主にマークするフォワードをチェックします。足が速いのか、空中戦が強いのか。相手の癖も分かるので、すごく便利ですね」(長江皓亮/3年/DF)

 攻撃と守備の要がそうメリットを語ったように、このデータ分析が結果に繋がっているのは間違いない。
 

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