G大阪が獲得した大学ナンバーワンMF。関学大・山本悠樹は遠藤保仁の後継者となれるか?

2019年12月17日 竹中玲央奈

昨年の天皇杯でG大阪を撃破。「あれは自信につながりました」

昨年のデンソーカップで存在感を放ち、全日本大学選抜入り。夏のユニバーシアードでは優勝に貢献。現在行なわれているインカレでは4強入りの原動力となっている。写真:竹中玲央奈

 ガンバ大阪の象徴でもある遠藤保仁の"後継者"となり得る逸材がやってきた。

 G大阪が2020年シーズンの新戦力として獲得した山本悠樹は、来年40歳を迎える遠藤の後釜としてチームのタクトを振るい、西の名門を背負う存在となる可能性を大いに秘めている。

 滋賀・草津東高から関西学院大へ進むとすぐに主力へ。1年次から関西選抜に選出され、将来を嘱望されてきた。不思議と全日本大学選抜には縁がなかったのだが、今年3月に行なわれたデンソーチャレンジカップ堺大会でその全日本選抜を相手に特大の存在感を発揮。鳥栖内定の林大地(大阪体育大)と共に全日本選抜へ昇格し、今夏にイタリアで行なわれたユニバーシアードにおける金メダル獲得に貢献した。

 大学4年間で着実にステップアップを果たしていくなか、存在価値が高まったのが昨年の天皇杯だ。2回戦で内定先でもあるG大阪を2-1で下し、続く3回戦では東京Vに0−1で敗れたものの内容では圧倒。その攻撃の中心に、山本はいた。

 ボールを預ければ何かやってくれる。そんなオーラをこれでもかと放ち、得点に結実せずとも見る者に驚きを、相手に脅威を与える動きを披露し、ワンプレーをやりきる。

 もともと中盤の高い位置、ボックス付近で相手を剥がして決定的なパスを配給し、自らネットを揺らすというゴールを生み出す力にも長けていたが、それがプロ相手にも通用することを天皇杯で見せつけた。その経験について彼はこう言う。

「大きかったですね。しっかりとしたプロを相手にした中で自分がやれている部分もあったし、結果として勝てたので。あれは自信につながりました」

 名を上げた山本は4年になる前のオフに京都サンガF.C.とFC東京のキャンプに参加し、セレッソ大阪や湘南ベルマーレの練習にも参加。その中で"争奪戦"を制したのはG大阪だった。タレント豊富な前線のアタッカー陣と自身のチャンスメイク力がフィットするイメージがしやすかったという。それが決断理由のひとつだと明かした。
 

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