【香港戦|戦評】“初選出組”の多くがアピールしたのは収穫も…シャドー仲川は機能不全に

2019年12月15日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

特大のインパクトを残したのがCFの小川

小川はハットトリックと大暴れ。韓国戦に向け弾みをつけた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[E-1選手権2019]日本5-0香港/12月14日/釜山九徳スタジアム

 日本代表は12月14日、E-1選手権の2戦目で香港代表を5-0で下し、1戦目の中国戦に続き連勝を飾った。

 ひと言で言ってしまえば、勝って当たり前だった。香港はFIFAランキング(11月)で139位の格下(日本は28位)。もはや結果うんぬんを語るような試合ではない。

 勝利という結果は最低限のノルマ。この試合で重要なテーマは、第3戦の韓国戦に向けて、どんな収穫を得るかだった。

 その点で、森保一監督にとっては、まずまず有意義な試合になったのではないだろうか。

 なにより大きいのは、今大会で初選出された選手たちが想像以上に戦術に馴染んでいたことだ。
 
 森保監督は1戦目の中国戦からスタメン11人を総入れ替えして、この香港戦に臨んだ。そのうち"初選出組"は8名。3バックの古賀太陽、田中駿汰、渡辺剛、ボランチの田中碧、右ウイングバックの相馬勇紀、シャドーの仲川輝人と田川亨介、1トップの小川航基だ。

 この "初選出組"の多くが、持ち味をそれなりに発揮してアピールしたのは、韓国との最終戦のメンバーを考える森保監督を良い意味で悩ませる種となったはずである。

 なかでも特大のインパクトを残したのがCFの小川だった。

 26分に痛烈なミドルシュートで代表初ゴールを挙げると、前半アディショナルタイムにはクロスの折り返しに反応して追加点をゲット。さらに、これだけでは終わらず、59分に大島僚太のクロスに合わせ3点目を奪い、デビュー戦でいきなりハットトリックという偉業を達成してみせたのだ。

 U-22代表も含め国際試合では今年6月のトゥーロン国際大会を最後にゴールから遠ざかっていた小川個人としても、自信を深める結果となったはずだ。「チームが勝っていても、僕自身は点を取れていない試合が続いていた。ちょっと不甲斐ない自分がいて……そのなかでの得点だったので正直ホッとしました」というのが素直な気持ちで、韓国戦を良いメンタル状態で迎えられるだろう。
 

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