シャビが率いるアル・サッドがVARに苦しめられながらも辛勝! 今大会唯一の日本人参戦者、松本光平も奮闘【クラブW杯】

2019年12月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

ニューカレドニアの歴史に残る一撃も誕生!

苦戦を強いられながらも勝利を掴んだアル・サッドの面々は、安堵の表情を浮かべた。 (C) Getty Images

 現地時間12月11日、カタールでクラブワールドカップが開幕。開催国王者のアル・サッド(カタール)とオセアニア王者のヤンゲン(ニューカレドニア)が、ドーハのヤシム・ビン・ハマド・スタジアムで対戦した。

 試合は序盤戦から「攻める」アル・サッドと「守る」ヤンゲンと両者の構図がハッキリと分かれたなかで進行。そのなかで、最初に魅せたのは下馬評では劣勢と見られていた後者だった。17分に速攻からロイネが鮮やかなオーバーヘッドで相手ゴールを脅かした。

 ヤンゲンの堅守を攻めあぐね、やや低調な滑り出しを見せた開催国王者だったが、元スペイン代表MFのシャビの指揮の下、その鋭さに磨きをかけてきたエースが26分に奮起する。左サイドを攻め上がったアブドゥルカリムのクロスを、アルジェリア代表FWのブーンジャーが右足で合わせて、ゴールネットを揺らした。

 一昨年に1年間でメッシやC・ロナウドを上回る38戦55発と驚異的なラッシュを叩き出し、話題を呼んだ主砲の一撃で均衡を破ったアル・サッドは、40分にアフィーフのゴールがVARによってオフサイドで取り消され、追加点は奪えなかったが、ワンサイドゲームを展開して前半を終えた。

 迎えた後半、早々にヤンゲンが"歴史的な一撃"を見舞う。

 46分、敵陣で相手からボールを奪ったロイネが一気にエリア内へと持ちこんでシュートを打つと、ゴール右下隅へと決まる。これが一度は直前のファウルで取り消されるも、VAR判定で認められ、ヤンゲンが同点としたのだ。

 ニューカレドニアのクラブとしては史上初の同大会でのゴールで追いつかれたアル・サッドは、再びギアを上げ、オセアニア王者を一方的に攻め込むも、相手の身体を張った守りを攻めあぐねる。67分にはアル・ヘイドスがネットを揺らしたが、ゴールはVARで幻と消えた。

 守勢に回ったヤンゲンは、70分に今大会で日本人唯一の参戦をしている松本光平を投入する。過去にバヌアツやフィジーなど計6か国を渡り歩いてきたジャーニーマンは、右サイドハーフで起用されると、75分にはアクロバットなパスを披露して会場を沸かせた。

 アル・サッドが再三のチャンスを外したこともあり、80分を過ぎても一進一退の攻防戦が続いた試合は、90分で決着がつかず。延長戦へと突入した。

 痺れる攻防戦に決着がついたのは、延長前半の100分だった。バックパスをキャッチしてしまった相手GKのミスから得たFKからアブドゥルカリムが値千金の勝ち越しゴールを奪取したのだ。

 その後、運動量がガクッと落ちたヤンゲンを攻め立てたアル・サッドは、114分にペドロが3点目をもぎ取って、趨勢を定めた。

 相手の粘りとVARに苦しめられながらも、3-1で、開幕戦を制したアル・サッドは、現地時間12月14日に行なわれる準々決勝で北中米カリブ海王者のモンテレイ(メキシコ)と対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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