「自信に満ちている」「大切なのは…」長谷部誠が語った、鎌田大地がブレイクした理由

2019年12月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

長谷部も驚嘆する鎌田の変貌ぶり

復帰1年目で定位置を確保した鎌田に、長谷部も称賛を送っている。 (C) Getty Images

 目下、フランクフルトでブレイク中なのが鎌田大地だ。トップ下の定位置をがっちり確保し、いまやチームに不可欠な存在となっている。

 2017年夏にサガン鳥栖からフランクフルトに加入した鎌田は当初、出場機会をほとんど与えられなかった。そのため、翌2018-19シーズンはプレーできる環境を求め、ベルギーのシント=トロイデンへの移籍を決断。ここで16ゴール・9アシストという記録を残した。

 1年の武者修行を終えてチームに戻ってきた鎌田を、同僚の長谷部誠は「別人のよう」と評していた。指揮官のアディ・ヒュッターも、「自信を持ち、生まれ変わった。彼のことを頼りにしている」とプレシーズンから信頼を寄せ、実際、アタッカー陣の主力のひとりとして重用されている。

 とりわけ、鮮烈な印象を残したのが、ヨーロッパリーグのアーセナル戦だ。敵地で2ゴールを奪い、強豪撃破の立役者となったのだ。

 現地メディア『FUSS BALL.news』のクリストファー・ミハイル記者が、「カマダのブレイクスルーはアーセナル戦だ。栄光の瞬間だった」と綴ったように、この活躍で鎌田の名がヨーロッパ中に広まったのは間違いない。

 大先輩の長谷部も、その急成長ぶりに目を細める。

「本当に驚いた。あのアーセナルから、(敵地の)ロンドンで2ゴールを奪う活躍とは。ただ、彼は今とても自信に満ちている。トレーニングしていても、それを感じる」
 

 加入1年目は燻っていた23歳のアタッカーが、今シーズンに飛躍できた理由について、長谷部はこう語った。

「移籍した直後、わずかな、ひと掴みのプレーヤーはすぐに活躍ができる。だけど、それ以外のプレーヤーには時間が必要になることがほとんどだと思う。大地をみていると、大切なのは、忍耐なんだなと思う。(最初は)フランクフルトではチャンスがなかったけれど、グッと我慢して、ベルギーで多くのゴールを決めて、自信を付けて帰ってきた。それが今の成功に繋がっていると、強く感じる」

 ここまで鎌田は公式戦26試合に出場し、3ゴール・6アシストという結果を残している。惜しむらくは、ブンデスリーガ初得点がなかなか取れないことだ。先日のヘルタ・ベルリン戦でもネットを揺らしたものの、VARによって直前のファウルが発覚し、ゴールが取り消されてしまった。

 だが、勢いに乗っているいまの鎌田なら、それも時間の問題だろう。15日のシャルケ戦で待望のブンデス初ゴールが生まれるか。注目が集まる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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