「優勝できた理由は一つだ…」“名将”ポステコグルーが説いた横浜15年ぶりのJ1制覇の要因

2019年12月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

J史上8人目の外国人優勝監督に

キャプテンの喜田(右)と互いの労をねぎらうポステコグルー(左)。Jリーグの歴史に名を残した指揮官が明かした優勝の要因は? 写真:徳原隆元

 11月24日、日産スタジアムでJリーグ第34節が行なわれ、横浜F・マリノスは3-0でFC東京に勝利。15年ぶりとなる悲願のタイトル奪還を達成した。

 4点差以上で負けない限り、優勝を決められる圧倒的優位にあった横浜は、立ち上がりから猛烈なプレスをかけてくる東京を落ち着いていなし、徐々に主導権を握ると、26分に先手を取る。ティーラトンが放ったミドルシュートが東慶悟の足に当たってゴールに吸い込まれるラッキーな形でのゴールが生まれたのだ。

 これで悲願のシャーレをグッと手繰り寄せた横浜は、44分にはマルコス・ジュニオールとの連携からエリキが"トドメ"の一撃を見舞って東京を突き放すことに成功した。

 後半に永井謙佑と交錯した守護神のパク・イルギュが一発退場を命じられ、数的不利となった横浜。それでも直近10戦負けなしと破竹の勢いで勝ち進んできたトリコロール軍団は動じない。迎えた77分には、ハーフウェーライン付近から一気に敵陣を切り裂いた途中出場の遠藤渓太が、豪快な一撃を決めて、趨勢を定めた。
 優勝争いを演じてきた東京との大一番で、守勢に回って逃げ切るのではなく、自分たちの標榜してきた攻撃的なスタイルで、鮮やかに攻め勝った横浜。試合後の会見で、指揮官のアンジェ・ポステゴグルーは、「我々が勝者だ」と決戦を振り返りながら、クラブ15年ぶりの戴冠の要因を次のように説いた。

「優勝できた理由は一つだと思う。自分たちのサッカーを信じてやれたことだ。今日の試合でも、扇原が前節の試合での累積警告のため出場停止となり、大津も怪我で出られない状況にあった。それでも、久々に出場した和田を筆頭にやることは分かっていた。何か特別なことをやるというのではなく、常に誰が出ても良いように積み重ねてきた努力が、実ったのだと思う」

 タイトルを手にした外国人監督としては、Jリーグで史上8人目。まさに"名将"たちの仲間入りを果たしたオーストラリア人指揮官は、最後に成し遂げた偉業を噛みしめた。

「結果についても満足している。私は私のメソッドを信じている。そのメソッドを共有できれば、必ず結果が出ると思っていた。チームは15年もタイトルから遠ざかっていた。だから選手たちには伝えたが、今年はサポーターたちのために結果を出したかった。簡単なことではなかったが、それができて嬉しく思う」

 継続性――。久々に実現した横浜のタイトル奪取は、まさにそのワードがピッタリと当てはまるものだった。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

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