1月1日の移籍市場再開を前に! 欧州メガクラブの「強化部門」実力診断|インテル編

2014年12月30日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

新たな組織体制の構築途上で、それゆえ強化戦略にブレ。

発掘・評価眼や交渉力など、インテルの強化部門はいずれも不十分なレベルだ。 (C) Getty Images

 欧州の移籍マーケットが1月1日に再オープンする。
 
 補強の構想を描き、ターゲットを絞り込み、交渉を進め、移籍オペレーションをまとめ上げるのが、各クラブの「強化部門」だ。いわばフットボールクラブの命運を握る重要なその強化部門、では、どのクラブのそれが優れているのか?
 
 当サイトの連載コラムでもお馴染み、移籍市場を専門にカバーする記者で、各クラブの事情に通じるジャンルカ・ディ・マルツィオ記者が、メガクラブの「強化部門」を診断した!
 
※ワールドサッカーダイジェスト2014.12.18号より
 
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 あまりに無駄遣いが多かったモラッティから緊縮財政を敷くトヒルへのオーナー交代(13年11月)で、強化の体制も方針も大きく変化。まだ新たな組織体制の構築途上で、それゆえ強化戦略に小さくないブレが生じている。
 
 今年1月にはヴチニッチとグアリンの交換トレードでユベントスと合意に達しながら、ウルトラスの圧力に負けてドタキャンするという、信じられない"事件"もあった。
 
 強化責任者がブランカからアウジリオに代わった14年2月以降、状況は徐々に改善しているが、監督交代で再び変化を余儀なくされた。マンチーニは具体的な獲得候補の指名まで含めて、強化部門への要求水準が高い。それにどう応えられるかによって、アウジリオに対する評価も見直す必要が出てくるだろう。
 
 いずれにしても現時点では、発掘・評価眼や交渉力など強化部門に求められる能力はいずれも不十分なレベル。スカウティングも責任者が毎年変わり、一貫性と継続性に欠ける。
 
 かつてはモラッティが代理人の売り込みに気前よく応えるだけで、割高なコストを払いながらも相応のクオリティーを確保できたが、今後はそうはいかない。
 
 今夏は一昨年までインテルでスカウトを務め、昨シーズンはサンダーランドでチーフスカウトを担ったマッシミリアーノ・ミラベッリを呼び戻し、スカウト責任者に据えた。今後の動向が注目される。
 
【判定】(力量不足)
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
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